「日本人にとって英語を習得する必要性はないのでは?」
この記事は、そんな疑問に対する筆者の考えを紹介している。本当にその通りだと私も思う…。
「社会人になっても、英語を使う機会がない…」
そんな日本人が、英語を習得する必要が本当にあるのだろうか?
私たちは受験勉強で膨大な時間を投資した。通学中に眠い気持ちを抑えて必死で英単語を覚えて、何冊もの参考書を解いていった。
私たちの貴重な時間を使った受験が終わった後に、残ったものは何なのだろうか?
必要性を理解することは「超」重要だ。
なぜなら、私たちは怠け者で、必要性がないことはやらないからだ。
だから、この記事を読んでくれるあなたには「英語が本当に必要か」「必要でないか」を判断できるようになってほしい。必要なら勉強するしかない。必要ないなら、違うことに時間を使うべきだ。
ちなみに、私は「英語は必要」だと思っている。
たとえどんなに英語嫌いでも、習得していた方がきっと楽しい。今回はそう考える理由を紹介していきます。
一般的な日本人にとっての英語の必要性
日本人として産まれてから大人になるまで、私たちが直面する英語の以下の必要性は3つしかない。
- 受験勉強で必要な英語
- 就職・転職で必要な英語
- 恋愛等のコミュニケーションで必要な英語
「就職」は希望する進路によって変わる。2021年になって公用語が英語になる会社も増えてきた。しかし、それでも未だに英語が必要になる企業は限定されている。
「恋愛」はレアケース。アジア人の女性は海外で一部から人気があるが、アジア人の男性がパートナーを見つけるには根気と努力が必要である。
こう考えると、ほとんどの日本人が直面する英語の必要性は、受験勉強しかないということが分かる。
こう書いただけで、なんだか英語が話せない理由が分かりそうだね。一つ一つ詳しく見てみよう。
受験勉強で必要な英語力
私も日本で大学受験した経験がある。あれはキツい。日本にいる高校生はみんな「英語が話せるようにならない」ことを理解して、必死に勉強しているだろう。
世界で求められる英語力は、受験勉強と無関係だ。「SV」「SVO」などの『英語を構成する小さな要素』を暗記する。そのなかの不正解を見極める力が受験で求められる。
言い換えると、受験は暗記が得意な人だったり、完璧主義な人が有利なゲームみたいなものだ。
毎週の単語テスト。テストが終わった瞬間に、覚えた単語は忘れる。クラスでバカにされないように、わざと「カタカナ英語」を話す。教師は英語でなく、受験を教える。
中学生、高校生の君たち。もう気づいているだろう?
あなたたち投資する時間で得られるリターンはほぼない。つまり受験勉強だけでは、永遠に英語を話せるようにはならないということだ。
もちろん、パッションのある先生方の中には、魅力的で非常に教育的な授業を提供している人がいる。しかし、社会構造上、その先生との関わりがなくなった途端、英語の必要性はなくなる。
就職・転職などのビジネスで必要な英語力
次に直面する英語の必要性は「就職」である。履歴書を埋めるために、みんな「TOEIC(トーイック)」を受験する。
ちなみに、就職の時にTOEICが必要になるのは、世界で日本と韓国しかない。
TOEICを受験するころには、大学受験で覚えた遺産はなくなっている。英語学習は、ここから再出発になる。
TOEICは、ビジネスの「語句」や「フレーズ」を学習することには効果的だ。しかし、実際にビジネスで必要な英語力は身につかない。ビジネスで求められる英語力は、「自分の考えを正しく伝えること」が中心だ。
TOEICで900点を取得したとしても、英語は話せるようにはならない。周りから「英語できる人」と認識されて、微妙な立場に立たされるだけだ。
コミュニケーションに必要な英語力
友人や恋人とのコミュニケーションで、英語が必要になるケースもある。
「もっと相手のこと知りたい!」と思うし、「自分のことも知ってもらいたい!」と思う。話せる英語力を習得するために最も効果的なケースだ。
しかし残念なことがある。それは、日本人は「ガイジン」と距離をおく傾向が強いことだ。それも無意識に。
なぜなら、日本では同じアイデンティティの集団で価値観を形成される。自分と異なるアイデンティティの人と関わることに排他的なのだ。簡単にいうと、「ガイジン」とコミュニケーションを取ることが苦手。
「ノリ」で何とかなる関係性の相手と、真剣に話すために英語を学ぼうとは思わない。「やっぱり日本人と話している方が楽!」と思っている人は英語を学ぼうと思わない。
結果として、英語が本当に必要になるケースは珍しい。
しかし、想像してみよう。もし君に海外の親友や恋人ができたとしよう。英語を習得しない限り、相手があなたを本当に理解してくれる日は永遠にこないんだ。そう考えるとなんだか悲しいよね。
英語習得と必要性の関係
ちなみに英語習得における、現段階でもっとも有力なポイントは以下の通りだ:
- 言語の音声を習得する
- 部分でなく全体から学ぶ
- 英語で学ぶ
このポイントは英語を学ぶ上で非常に重要だ。特に、大人になってから音声を学ぼうとしても、一度学んだことを捨てる(Unlearn)することは非常に難しいのである。
上記のポイントを意識して、学習を「継続」する環境を構築できれば英語は習得できたも同然である。
英語習得は「継続」が重要
私たちは、必要性のないことは「継続」できない。
そして言語習得において最重要なことは「継続すること」だ。第二言語習得理論という研究分野で明確に示されている。
言語は運動と一緒だ。使わなくなったら錆びていく。
必要性は圧倒的なメリット
必要性は「圧倒的なメリット」だ。
あなたの将来を想像した時に、英語を話せることで「メリット」を得ることはできそうだろうか?
メリットは「圧倒的」でないだめだ。以下のようなしょーもない理由だと、諦める理由もすぐに思いつく。
10年以上は英語に関する相談を受けてきたが、以下の理由で英語習得できた人はみたことがない。
- 「英語くらいできないと、日本経済の将来が不安…」
- 「英語できた方が給料がいい企業に就職できる!」
- 「英文科なのに英語が話せないことがコンプレックス…」
- 「カフェでガイジンと英語を話してる俺。かっこいいだろうな…」
- 「英語が話せると周りから認められる…」
- 「原文で私が好きな小説を読みたい…」
このような欲求は、とても普通のことだ。しかし。価値観や優先順位が変われば、必要性がその度に変わってしまうのだ。
他人の必要性と原体験は参考にしない
英語学習で、他人の成功体験を参考にするのはナンセンスだ。なぜなら、言語習得のために必要な要素は複雑だからだ。性格、言語能力、コミュニケーション力。全く同じ人間はいないからね。
インターネット上に溢れている成功体験、要素一部だけだ。あなたがそれを実践しても、英語習得ができるかは保証はない。
日常でよく見る広告には、疑問の目を向けてみることが重要だ。
例えば以下のような文言を見たら、試してみたい気持ちをグッと抑えよう。落ち着いて「本当にそうだろうか?」と考えてみると良い。
- 「英語習得のためにはまず文法!」
- 「リスニングを極めれば英語が話せる!」
- 「基本単語さえ覚えていれば英語は話せる!」
- 「これを聞いているだけでいつの間にか英語脳に!」
- 「有名予備校講師直伝!英語習得の極意!」
- 「元ANAのフライトアテンダントが教える英語学習のコツとは!」
- 「ニューヨーク在住の同時通訳者が実践したたった一つの英語学習方法とは?」
冷静に考えるとおかしな文言だ。でも英語学習に絶望している人は、期待してしまう。
自分に合う学習方法は、自分で見つけるしかない。英語習得した人たちはみんな、自分の「継続する」方法を知ってる。環境なのか、趣味なのか。試行錯誤してみつけるしかないんだ。
必要性があれば苦手でも英語習得ができる
私は、決して言語が得意なわけではない。むしろ苦手だ。しかし今は、スペインのカタラン語を学習している。なぜなら、私の奥さんの母語だからだ。
私の奥さんは言語の天才。日本語を含めて、8ヶ国語くらいは話せる。普段は英語で会話しているが、やっぱり母語で旦那と話せないというのは少し気の毒だ。
「頑張ってカタラン語覚えるぞー!うおぉ!」と気合いはある。しかし、いざ奥さんの家族とビデオチャットすると「なんだ、ルーク!カタラン語うまくなってないな!ちゃんと勉強しているか?」などと言われている。
そう。私は言語の才能が全くない。これは事実だ。言語習得は才能も大きく関係しているからね。
でもカタラン語みたいに「必要」な言葉は頑張れる。継続していれば、着実に上手くなる。そうして誰でも話せるようになるのだ。
ちゃんと正しいプロセスで、学習を継続する。そうすれば、中国語も半年で話せるようになる。 才能のない私でもできたのだから、あなたができないわけがないだろう。
日本人とってこれからの英語の必要性
これからの英語の必要性
これからの将来。日本人に英語学習は必要になるのだろうか?
日本では英語できなくても死ぬことはない。生活費を稼ぐことにも困らない。給料面が大きく変わるわけでもない。
そうなのだ。日本人にとって英語を学ぶ「圧倒的メリット」はあまりない。
相談に来る人には「あなたにとって必要な英語学習をすれば?」と話している。
必要と感じてない人に、いくら必要性を伝えても意味がない。しかも私はSOLO(ソロ)でオンライン英会話の事業をしている。そんな私が「英語は絶対に必要だよ!」なんて言っていたら、勧誘みたいで気持ちが悪い。
さて英語ができると何が変わるか。少し例をあげてみよう。
オーストラリアと日本の経済成長
私の父ちゃんはオーストラリア出身だ。
オーストラリアは30年間、ずっとインフレが続いている。父ちゃんが30年前に980万円で買ったマンションが今いくらだと思う?
なんと約2億円の価値がある。
残念ながら私の父ちゃんは、私と同じで投資の才能がない。4000万くらい値上がりした時に売ってしまった。今でも悔しそうに、その話をしている。
一方で、私母ちゃんは日本出身だ。日本は30年間、ずっとデフレ。愛媛県で1億円くらいしたマンションが、今では1500万とかで買える。
中国出身の友人たちは「やすいー!うおー!やすいー!」と言って、どんどん家を買ってはゲストハウスなどにして運用している。
英語圏の経済は成長し続けている
つまり何が言いたいのかというとだね、英語が公用語の国はここ30年間ずっと経済が成長している。
だから英語圏に行くと「インフレ?そんなもの知るかよー!」な感じ。日本人と価値観が違うから話が全然噛み合わない。
英語を運用できる国は、経済が伸び続けてる。経済が伸び続けてるということは生活が豊かになってるということなのだ。
これからの必要性① 英語のネットワーク
英語が運用できる国が豊かになる理由はシンプルだ。
それはテクノロジーが全て英語のコードを元に構成されているからだ。つまり、世界の経済は英語を理解できる人が有利なゲームになっている。
英語のネットワークは強力だ。英語ができる人は世界中どこでも働くことができる。
例えばあなたの中学校の同級生が「シンガポール」や「深圳」「シリコンバレー」で働いているということが当たり前な環境だ。世界中でネットワークが構築されてる。
英語を習得するということは、そんな世界の仲間になるためのチケットみたいなものなのかな。
これからの必要性② 情報の質と量
日本に留学しにくる外国人が、どうやって留学の準備をしているか想像したことがあるかい?
日本では仲介業者を通して、誰かが申請手続きを全ておこなうよね。しかし、外国人は自分で情報を探して、自分で入学フォームを送信する。
例えば日本語で、オーストラリアの語学学校を検索する。検索結果をみると、仲介業者のものだけで埋め尽くされる。
一方で英語で同じことを検索してみる。すると、オーストラリアの語学学校のページが直接でてくる。
何が言いたいのかというと、検索のアルゴリズムは日々進化している。Googleは、本当に有益な情報しか検索結果には反映されない。
英語で蓄積されているデータ量は、日本語の数100倍ある。量が多いからこそ、比較して質の高い情報にアクセスしやすくなっているのだ。
世界で必要な英語力
仮に英語で情報を見つけられたとしよう。しかし次に直面する課題は「正しく意図を理解できない・伝えられない」ことだ。
つまり、世界で求められる意思疎通のための英語力が圧倒的に足りない。
厳しいことを言うと「英語なんて当たり前にできるでしょ?」が、世界の一般認識となっているのが現状だ。
英語ができないと人助けもできない
以前、ボランティアで難民キャンプの孤児に勉強を教えるプロジェクトを運営していた。その時の話だ。
ボランティア最終日、孤児たちがメッセージを黒板に書いてくれていた。その中のメッセージの一つがこれだ。
“I don’t like you because you don’t speak English.”
現実は残酷だ。そのメッセージが衝撃的で、参加していた学生はみんな英語の勉強を必死に始めた。英語ができないと、世界から必要とされないことが分かったのだ。
言語習得とは文化を理解し受け入れること
言語習得を「コミュニケーションのツール」としか考えていない人がいるが、それは大きな間違いだ。
外国人と自分との意思疎通のためのツールとして言語があるのならば、現在の自動翻訳ツールでほとんどの問題は解決することができる。しかし、実際は翻訳ツールが高まった現在でも英語を勉強している人はたくさんいる。
これは何故かというと、単に英語の情報を日本語に変換するだけでは、情報の外部にあるコンテキストを正しく理解できないからだ。
言語は、その土地の文化や価値観が反映されて、長い年月をかけて出来上がった独自のルールである。このルールに沿って話すことは、その文化を体現することになる。つまり、相手をより理解できるようになり、利害関係とは別のところで結びつきが生まれるのだ。
この「結びつき」は、帰属意識をうみ、関係性がより強固になる。関係性が強いコミュニティは、利害関係だけで結ばれたコミュニティよりも耐久力があり、精神的な安定をもたらす。
ボーダーレスな今の世界では、こういった帰属性を持ったコミュニティの価値が高まる。単に言語を情報伝達として見ていたら、得られることのないメリットだ。
独学で英語を習得する方法
英語習得はインプットが必要
一番シンプルな英語習得方法は「インプット」を増やすことだ。知識がなければ、アウトプットは当然できないからね。
ちなみに高校3年間で学ぶ英語のインプットは、洋書100ページ以下だ。圧倒的に量が足りない。
もし私が「小説を数十ページ読みましたが、まだ日本語は話せません!」って言ったら「そりゃそうでしょ!」と思うだろう?
教科書よりも、英語の本を数十冊ザッと読んだ方が効果的だ。別にじっくり読まなくていいのだ、分からなければどんどん飛ばして読もう。
言語はリズムだ。英語の量に触れることによって、英語の持つ独特なリズムを身体に刻んでいくことができる。
英語の参考書を片手に「うぅーん!」なんてのはダメ。絶対。無理なダイエットと同じで、どこかの拍子でまったく手をつけなくなるよ。
本が苦手な人は英語字幕をつけて洋画を見よう。最初から英語だとわからない場合は、あらすじを日本語で理解しておけばなんとなく物語は理解できる。たまに、俳優の真似してセリフを口ずさめばより効果があるだろう。
英語ができるようになると必要性が高まる
実は英語は「できるようになってから」が、必要性が高まる。それは自己実現の欲求に関連している。
「もっとスムーズに英語でコミュニケーションを取りたい」
「英語でも日本語と同じように自分を伝えられるようになりたい」
しかしここからが実は一番「歯がゆい」時期なのだ。
必要性が高いから学習は続けることができる。しかし、英語が話せるからこそ成果がなかなか見えない。もしあなたがこれから英語習得を目指すなら、避けては通れない道なのだ。
あなたにとって英語は本当に必要か
どうだろう?
あなたの人生において、英語を習得する「圧倒的なメリット」はあるだろうか。ないなら無理に勉強に時間を使う必要はない。中途半端な英語力は、翻訳機が代わりにやってくれる。
重要なので何度もいう。英語習得は「継続性」が超重要だ。
すぐに答えを知りたいのはわかる。しかし一度立ち止まって、考える時間を十分取ろう。「本当に英語習得することで、自分の抱える問題を解決するのだろうか?」
明確に答えがでれば、きっと英語は習得できる。言語の才能がない私ですら、中国語が話せるようになってるからな。
もし英語に伸び悩んでいたらSOLO(ソロ)を受講してみるといい。英語ができる人向けのサービスだからこそ、実感できる価値がある。
最後まで読んでくれてありがとうね。少しでもこの記事が助けになったのなら嬉しい限りだ!
[…] 日本人にとって英語を習得する必要性は本当にあるのか? […]
全く言葉が通じない国の人同士でも、お互いに英語を使えば話は成立します。何も完璧に話せなくても構わないと思います。それによく言われていることですが、英語(英語に限らずどの外国語でもそうですが)ができるようになると、本当に世界が広がります。今までに世界40カ国の若者と英語で話をしました。世界には実に色々な考え方や価値観を持った人がいます。そういった人たちと話すことによって私はたくさんのことを学びました。
[…] Google翻訳が進化しても英語学習が必要な4つの理由 […]
[…] 以前の創業者のルークさんの投稿で「英語の必要性」というテーマを取り扱っていますが、今回は個人的な見解を載せてみようかと思います。 […]
[…] もっと英語の必要性を確信してから学習を開始したい人は下記ブログを参考にして URL: 英語が苦手な日本人!それでも英語学習が必要な3つの理由 […]
この記事を読んで涙があふれた。30代後半女、友達もキャリアも何もない。音楽だけが好きで少し英語を勉強した。そうしたら世界中に友達ができた。勇気を出してその中の友達に会いにも行った。私の中の世界が変わった。ペラペラ話せる訳ではない。けれど英語でならおどおどしなくても話せるようになった。この世は生き苦しくて孤独な世界だけじゃ無いことを知った。もう遅いかも知れない。でももっと勉強しようと決意した。この小さなアパートから抜け出したい。だれも私を1人の人間と見ない世界から旅立ちたい。私を変えてくれた人が世界中に居る。この記事を読んで私は間違っていなかったと思えました。ありがとうございます。