- 事前に話す内容が決まっている部分は、スムーズに英語の受け答えができる。だけど突然の想定外の質問に頭が真っ白…。
なんて経験ありませんか?
それまで「お、なんだかちゃんと英語が話せるじゃん。」と思っていたのに、英語の語順はバラバラになり、発音もなんだか日本人発音っぽくなり、額には汗がジワっと滲み出始める。
そんな時ほど、自分の英語力なさに落胆したり「あぁ英語で話すの嫌だぁ」と思ってしまいますよね。
なにより私自身がそうでした。
日常会話や話し合いの最初の部分はいつも想定通りに行くんです。
だけど、会話が深くなるにつれてだんだんと理解が曖昧な部分が増えていき、空返事で答え始めた時に不意の質問が来る。
頭が回ってない状態だから当然理的に答えることができず、必死に言葉を口から出した後でとても恥ずかしい気持ちになる。
特に学校の教員をしていた時は、一番恥ずかしかったと思います。「英語の先生をしている」と自己紹介で伝えるのが、当時は本当に嫌でした。
もともとコミュニケーションがあまり得意な方ではないので、今も少し抵抗はありますが昔に比べると少しコミュニケーションが楽になりました。
どうやってその問題を改善できたのかについて、今回はお話しできればと思います。
方法1. 自分のコミュニケーションの癖・習慣に気付く
まず第一に、自分のコミュニケーションの癖や習慣に気付くことが大事です。
特に不意の質問に対して回答がおぼつかないタイプの人は、無意識に相手に合わせてしまう傾向が強いと思います。
そう言った人は、相手のペースに合わせて英語を話そうと頑張るので、思考が追いつかず空返事や五割くらいの理解度でコミュニケーションを進めてしまう傾向があります。
私の場合まさにそれで、ネイティブから質問されたら特に「早く回答しなきゃ!」という気持ちになって焦ってしまうタイプでした。
また会話の流れを止めるのが怖くて、「アーイェー…」とただ声から英語っぽい音をだすだけの時も多かったと思います。
そんな私が自分のこの癖に気づけたのは、英語ではなく日本語で話していた時です。
その時は友人と2人でお酒を飲んでいる時でした。その時の時間が妙に心地よかったのですね。
- 「あれ?なんでコミュニケーション苦手なのに、リラックスして話せているのだろう。しかも話が続く…。」
こう思ったわけです。
その時の場面と、いつも英語が話せないであたふたしている自分を比較していると、私は苦手な分野や背景知識がない分野はそれっぽく相手のノリに合わせていることが多いということがわかりました。
それがわかってから私がコミュニケーションで実践したのは、自分が衝動的に「早く話したい!相手を待たせたくない!」と思った時ほど、あえてゆっくり英語を話すことを意識したことです。
ゆっくり考えながら英語を話す経験は、実はそれまで意識的にしたことはなかったかもしれません。でもこれがすごく効果的でした。
ちなみに過去の記事にも具体的にこの内容を書きました。参考までにどうぞ:
なにより嬉しかったのが、ネイティブが自分の話を真剣に聞いてくれてるという雰囲気が伝わったことです。
コミュニケーションのノリを合わせている時よりも、ずっと相手と信頼関係が気づけた気がしました。
でも癖って無意識なので、なかなか気づきにくいと思います。そこでもう一つ効果絶大だったのが次の方法です。
方法2:振り返りの精度を高める
個人的に一番効果が高いと思うのは「振り返り」の精度を高めるということです。
恥ずかしい経験をした時を客観的に思い返して、納得のいく解決策を常に考えておくことでコミュニケーションの質を常に改善することができます。
具体的には以下の質問を自分に投げかけるのがおすすめです。
- どの場面で(どんな英語のフレーズで)会話が続かなくなったか?
- (その時の場面を想定して)、今の自分ならどうやって会話を続けるか?
この2つの答えで納得いくものがでたら、あとは実際に録音したり独り言でブツブツ練習を繰り返していると、次に同じような状況になった時に驚くほど状況が改善されます。
結構当たり前のことに聞こえますよね。
過去の自分でもこれくらいのことはやっていた気がします。
何が効果を分けるかというと、振り返りの客観性の高さです。
例えば私はよく、中学生だった頃の自分を思い返したりします。
なんだか妙に不良に憧れて、眉毛が極細だった時代の自分を思い返すと恥ずかしくていつもモヤモヤっとします。
「なんであんなことしてたんだろう…。うぁ、恥ずかしっ!」
これは客観性の低い振り返り。何かと言うと、過去の自分の今の自分をリンクさせて、後悔だったり羞恥だったりの感情が織り混ざっています。
逆に精度の高い振り返りはどんなのかというと、過去の事例の失敗の原因と結果に焦点を当てる振り返りです。
「あの時は、気になる女の子の気をひくことしか考えてなかった。だからあえて奇抜な格好をしたり、かっこつけてしまったのだ。」
そして、「どうすれば悪い結果が起きなかっただろうか?」と考えられる、悪い結果を引き起こす要因を全て挙げてみることが重要です。
全ての要因を挙げて最初から見返すと、より客観的に原因と結果の因果関係について理解することができます。
後は、その要因の中で一番変えたら効果がたかそうなものを次は実践してみる。これだけで、毎回のコミュニケーションが飛躍的に改善されます。
私がこの考え方ができるようになったこは、自分で事業を始めたことがきっかけですが、事業を始めなければできないことでもないはず。
振り返りがうまくできてるか自分じゃわからないという人もいると思います。時間をかけたくない人は、慣れるまではあえてコーチング系のサービスを受けてみるのもいいかもしれません。
時間をかけても精度を高めたいという場合は、株式会社Goldratt Consulting Japan CEOの岸良祐司さんの書いた、「全体最適の問題解決入門: 「木を見て森も見る」最強の思考プロセス (2008年)」がおすすめです。
振り返りのプロセス自体を学びたい場合は、立教大学教授の中原淳さんの著書はどれもおすすめです。最初は「フィードバック入門」あたりが読みやすいかと思います。
自分の振り返りのプロセスを高めることができるかつ、対人関係におけるフィードバックの原則も学べるので、結構お得だと思います。
まとめ
深く真摯に話すことがお互いのためになる
以上が、私が英語のコミュニケーションが苦痛ではなくなった時に試した方法です。
どちらの方法も気づいた時にすぐ一人でできるのでおすすめです。
英語の会話ももちろんですが、日本語での会話もこの方法を実践してからだいぶ楽になった気がします。
コミュニケーションって、どうしても相手のペースに流されたりすることがあると思います。
「会話の流れを止めたくない…」
こう無意識に思って、どうしても曖昧にうなずいたり相槌をうつこともあります。
しかしその時に一歩立ち止まって考えてみると、相手を理解することに務めることが本当にその人と良い人間関係を気づくためには必要ではないでしょうか。
もちろん立場もありますし言いにくい場面というのはありますが、「わからないことがあったら聞く」「わからないことはわからないと伝える」というようなことが非常にコミュニケーションでは重要だと思いました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!