この記事は「自分の力でオーストラリア大学に正規留学したい人」に向けて書いてある。
主な内容は以下の通りである:
この記事の内容:
- オーストラリア大学への留学方法
- オーストラリア大学の学費
- オーストラリア大学の卒業までかかる総費用
読み終えるころには、留学エージェントを介さずに自分でオーストラリアの大学・学部留学までの入学ができるようになってもらいたいと思っている。
インターネット上に無数にある、嘘か本当か分からない記事に悩んでいる人の助けに少しでもなればいいんだけどね。さぁ始めよう。
ちなみにこの記事は「オーストラリア大学に1年間通った場合の学費」と、「生活費も含めた卒業までに必要な3年間の総費用」を示してある。オーストラリアの大学は基本3年間ということを理解しておこう。
また前提として、この記事で書かれている「留学」とは、短期留学や交換留学などは含まれていないので混合しなようにしてほしい。あくまでオーストラリア大学に入学してから卒業するまでの過程を指しているからね。
さっそく結論から書くと:
- オーストラリア大学への留学方法は4パターンある
- 「※IELTS6.0」以上と高校の成績「3.5以上」の2点が留学の鍵
- 学費は年間で「180~350万円」が目安
- ※生活費を含めた卒業までの総費用は「1200~1600万円」が目安
補足説明:
※一般的にイギリス、オーストラリア、ニュージーランドの大学留学に必要な英語試験
(IELTSでの英語力が足りなくても留学できる方法があるので諦めないでね)
※高校から直接進学した場合の学費
(語学学校やファウンデーションコースに通う場合、別途400万〜/年が必要)
オーストラリア大学に留学する4つのパターン
やや難 パターン1: 高校卒業から直接オーストラリア大学留学
オーストラリアの優良大学に入学するためには、「IELTSによる英語力の証明」と「高校の成績」の2点が必須になる。
上記の2点で必要要件を満たすことで、日本の高校卒業後にすぐに直接留学が可能になる。(IELTSの代わりにTOEFLでも大丈夫な大学はもちろんある。今回は混乱しないようにIELTSついてのみ言及するね)
具体的には「IELTS6.0以上」を目指すこと、高校の成績は「3.5以上」がボーダーラインになる。
仮に英検2級を取得していてIELTS対策をしていない場合スコアは「4.5」か「5.0」になるだろう。1年間必死に勉強すれば、「6.0」を取得するのは夢ではない。
ちなみにシドニー大学やメルボルン大学など、有名大学に直接入学で留学する場合、必要になるIELTSの基準が「7.0」高校の成績は「4.0以上」は必要になる。
さらに上記の有名大学に直接留学する場合に限り、「※GCE-A Level」または「※SAT」という試験が日本人でも必要だ。
これらの試験は日本でいうセンター試験のようなもだ。「GCE-A Level」では、数学を含む3科目以上でA評価。「SAT」では1350点以上が基準になる。
日本語でオーストラリア大学進学について書かれている記事を調べてみると「卒業後に直接留学することは難しいのでまずは語学学校へ(またはファウンデーションコースへ)〜…」という説明が書かれていることがある。
そこで「そうなのか…」と納得せずに、実際に大学のウェブサイトを調べてみよう。直接入学する方法も正式に紹介されているのだ。
ちなみにこのような記事が多い理由は、ずばり「コミッション」だ。コミッションとは、つまり紹介手数料である。語学学校のコミッション率が高いので、入学してもらうとエージェントからすればウハウハなのでございます。
それもなんだか悔しいので、最新情報を自分でチェックする方法を教えよう。
方法は簡単だ。Googleなどの検索エンジンで「大学名 / requirement / international student」と検索すればいいのだ。
補足説明:
※SAT Reasoning Test (米の大学留学に必須 / Critical Reading、Writing、Mathの3教科テストの1600点満点)
※GCE-A Level・AS (英豪新の難関大に必要 / 上からA*〜Eの6等級で評価)
普通 パターン2: 高校卒業⇨ファウンデーションコース⇨オーストラリアの大学留学
オーストラリア大学の留学資格を満たせなくても諦めてはいけないよ。
仮にあなたが要件に満たない場合でも留学する方法がある。それは大学が提供している「ファウンデーションコース」と呼ばれる大学留学準備コースを終了するだ。
ファウンデーションコースの過程を全て終了すれば、希望する大学に進学することができるようになる。
ただここで注意してほしいのは、大学留学ほどではないがファウンデーションコースへの進学には最低限の英語は必須になるということだ。
ファウンデーションコースの入学資格は「IELTS5.0」が基準となる場合が多い。「高校の成績」は大学によって必要な場合がある。必要な場合は、5段階評価の「2.5以上」などだ。
つまり少し英語を頑張りさえすればオーストラリア大学留学は可能になるということだ。
ファウンデーションコースを用意してある大学とない大学があるので「大学名 / foundation course 」と検索して、情報をチェックしてみよう。
易しい パターン3: 高校卒業⇨語学学校⇨ファウンデーションコース⇨オーストラリアの大学留学
ファウンデーションコース進学に必要なIELTSのスコアを満たせない場合はどうすればいいだろう?
そんな時は語学学校で英語力を身につけよう。もちろん日本にこもって英語を勉強してもいいが、学習効率が悪い。現地の情報収集や、ネットワークを作りつつ英語力を伸ばせる語学学校の方がオススメだ。
入学前に担当者(アドミン)に大学進学したいという目的を伝えて、基礎力がついた段階でIELTSコースに変更してもらうようにしておくといいだろう。
語学学校の選定は、シンプルに日本人の割合が少ないところがいいよ。田舎ほど日本人は少ない。
大手の語学学校は、平均的に2割から3割の日本人が在籍しているケースが多い。「日本人スタッフがいる学校だから安心!」という言葉に誘惑されたのだろうか…。
英語習得は環境にも左右される。日本人スタッフ・日本人生徒がいるほど、英語習得にはより強い意思が必要になることを覚えておこう。
易しい パターン4: 高校卒業⇨語学学校の大学留学コース⇨オーストラリアの大学留学
もう一つの方法は、語学学校が独自で提供するEAPというコースを終了することだ。EAPとはいわば大学留学を目的としたコースで、終了することで語学学校が提携している大学に進学することができるのだ。
行きたい大学が決まっておらず、じっくりと英語力を伸ばしながら日本とは違う文化圏で生活してみたい人にはオススメなコースだ。
語学学校のスタッフは大学から情報を得ているので、各大学の授業の特徴や入学後のアドバイスを受けることが可能だ。語学学校のスタッフと話しながら、自分の将来を考えることも個人的にはいいと思うな。
残念なことを一つ共有しておくと、EAPコースから有名大学に留学することはできない。有名大学は生徒を集めるのに困っていないからね。
しかし!有名大学は無理だが、優良大学への留学は可能だ。例えば、語学学校大手Embassy EnglishのUniversity Pathway(EAP)はMacquarie Universityなどオーストラリアのトップ大学とも提携している。
語学学校の大学留学コース(EAP)を調べたい、または各語学学校が提携している大学名を調べたい場合は「 語学学校名前 / EAP) 」と検索すると求めている情報が得られる。
オーストラリア大学の留学要件と費用
ここで具体的なオーストラリアの大学に焦点を当てて、留学に必要な資格(Requirement)と費用がどれくらいかかるかを紹介しようと思う。まずはシドニー大学からだ。
シドニー大学 (University of Sydney) 世界ランキング50位 (ちなみに京都大学は65位)
シドニー大学の留学要件:
- 高校の成績
- 「IELTS7.0」または「TOEFL96」
- 「GCE-A Level 16」(3科目の場合) または「SAT1370以上」※ GCEはA*=6, A=5, B=4, C=3, D=2, E=1にて計算
留学条件が学部ごとに異なるため、上記は商学部を選択した場合の要件を記載している。
シドニー大学は「GCE A Level」や「SAT」だけでなく、各国の試験が活用できるので進学を考えている場合はアドミンに一度連絡してみよう。ちなみに数学は必須になる。
難関大の中でファウンデーションコースを提供している珍しいケースだ。「高校の成績3/5以上」「IELTS5.0」で、ファウンデーションコース参加する資格が満たせる。
シドニー大学学費/総費用:
- 1年の学費: 約350万円
- 1年の生活費・雑費: 約180万円
- 3年の総費用: 1590万円
② サンシャインコースト大学 (University of Sunshine Coast以下「USC」)
USCの留学要件:
- 高校の卒業証書
- 「IELTS6.0」
「IELTS6.0」をとれない人向けにUSC直属のファウンデーションコースがある。ファウンデーションコースを終了することで無条件で大学に留学することが可能だ。ちなみにコース参加資格は「IELTS4.5」「TOEFL55」が必要になる。
USC概算学費/総費用:
- 1年の学費: 約190万円
- 1年の生活費・雑費: 約180万円
- 3年の総費用: 1110万円
他国にはないオーストラリア大学留学の特徴
特徴① 有名大学への留学もファウンデーションコースがある
他国と比べてオーストラリア大学が圧倒的に素晴らしい特徴の一つは、超一流大学にもファウンデーションコースを提供していることだろう。
他国の難関大でファウンデーションコースを提供している大学はほとんどないのだ。
高校からの直接留学を考えると「GCE A Level」や「SAT」が必要なため、日本の高校生には少し難易度が高いかもしれない。しかし、シドニー大学やメルボルン大学が用意しているファウンデーションコースに入れば試験が免除される。
ファウンデーションコース入学の要件を満たすことはそこまで難しいことではない。IELTSと成績だけ要件を満たせば、世界でトップ大学の学部留学の資格が得られると思ったらなんだかお得な感じがする。
特徴② 卒業までの学費と総費用が他の英語圏大学に比べて安い
学費や生活費は他の英語圏大学に進学しても変わらない。しかしオーストラリアの大学は3年制なので、4年生の大学と比較すると約800万円ほど費用が安くなる。
カナダやアメリカの学費や卒業までの総費用が気になる人は下のブログをチェックしてね。
特徴③ オーストラリア留学はIELTSが必須
オーストラリアの大学に留学する場合は、必ずIELTSのスコアが必要になる。IELTSは日本の受験感覚で勉強してもスコアが伸びないので、多くの日本人は語学学校でIELTSコースを受講する。
その時に残念なパターンは、目標としているIELTSのスコア取得のために2〜3年も語学学校に通うパターンだ。原因はたった1つ。現地で日本人の友達と過ごしてしまうのだ。
幼稚な英語力でオーストラリアかぶれの中途半端な人間にならないように気をつけよう。
IELTSは日本でも対策可なことを忘れない
前提として英検の2級程度の語彙力と文法理解力があれば、学習方法次第で1年間でIELTSスコア6.0を取得することは可能だ。
多くの日本人はIELTSを解いて「難しい!よし、単語帳から始めよう」と考えがちだが、この考え方ではおそらくスコア6.0を取得することは無理だ。
リスニング・リーディングが一番点数が伸びると一般的に思われるが、IELTSは実はライティング・スピーキングの対策から始めるのが一番効率的なのだ。
ライティング・スピーキングでは、意見をロジカルかつクリアに表現する力が求められる。実際にアウトプットしてフィードバックをもらい改善を繰り返すことが重要だ。
机に向かってばかりでは課題解決にならないことを理解しよう。
オーストラリアの大学留学への甘い幻想は捨てろ
留学する前は「現地の人と一緒に生活を共にして…」と幻想を抱く。しかし、いざオーストラリアで生活が始まるとそんなに理想通りにはいかない。
残酷なことを書くと、現地人からすると英語が話せない人と一緒に時間をシェアするメリットなどほぼないからだ。結局、簡単に意思疎通がとれる自国民と大半の時間を共有するようになる。
英語ができないことでバカにされることはもちろんある。差別を受ける可能性もあるだろう。大学からの課題は日本のそれとは比べ物にならないくらい多い。
厳しいことを書いているかもしれないが、それが現実なのだ。しかしその厳しい現実を乗り越えた先には、日本の大学に進学しては一生見られない世界が待っているだろう。
オーストラリアの大学留学で成功するために
ここまで読んでくれたみんな、ありがとう。そんなみんなにオーストラリア留学で成功するためのコツを紹介するね。
成功するコツ① 留学後も英語力を伸ばし続ける
留学前は大学に留学することで頭がいっぱだ。しかし本当の試練は入学後に始まる。
「IELTSで6.0」を取得しても、大学の授業についていくことはまた次元が違う。講義中に発言する機会があるが、相手に自分の英語が通じないケースも多い。
必死に英語力を伸ばして大学で通用するレベルになったとして、次に待ち構えているのは就職だ。
大学で通用する英語力があっても、就職では英語力不足を実感する。実際に働く現場で求められる英語力と、大学で求められる英語力は違うのだ。
英語力を伸ばし続けよう。ネイティブから「英語うまいね」と言われて満足してはいけない。それは「あなたの英語は(全くできない日本人に比べて)うまいね」という意味だ。
英語の勉強方法をまとめた以前の記事があるので、参考になれば幸いだ。
成功するコツ② 留学後も「自分だけの」価値を磨く
「で、結局あなたは何ができるの?」これは英語圏で常に問われる重要な質問だ。
日本のように他者との同化は求められない。個人の価値を最大限まで引き出す教育デザインを国が主導でしている。そうして競争力を保っているのだ。
あなただけの意見、あなただけの経験、あなたにしかできないこと。それを追求し続けることだ。
猿真似は冷笑の対象だ。決して周りにあわせるな。決して理解もしていないのに相手に合わせて笑ったりするな。
わからないなら聞くんだ。「何がおもしろいの?」分かりもしないのに笑う人より好かれるだろう。
最後に:オーストラリアにリスペクトを
君は今からオーストラリアが長年かけて築きあげてきた教育体系を盗みにいくんだ。
人聞きが悪いでしょう?でもオーストラリア人は本当にそう考えてるんだよ。西洋が築きあげた「個人が考えること」を尊重した教育体系を、「型を覚えること」をしてきたアジア人が盗みにきた。
え、それでもやっぱり人聞きが悪い?でもそういう本がでてねベストセラーになってるんだよ。
ま、その敵意は主に中国の人に向いてるんだけどね。でもま、オーストラリア人からすれば中国人も日本人も対して変わらないからさ。
君たちも話してる相手から小馬鹿にされたり、見下されたり、他のことをしたいのに時間を泥棒されたらなんとな〜く嫌な気持ちが湧いてくるでしょ?
その感情は全人類共通なんだよね。
「ここの文化は俺には合わないわ〜」で片付けるのではなく、興味関心を持って前のめりでコミュニケーションをとる。相手に関心を払わず、英語にばっかり関心を向けている人は信頼関係が構築できないのは当たり前ですな。
君が留学して得たことを何倍にしてもオーストラリアに返してね。 その意気込みでいけば君は現地の人にも受け入れられるだろう。
成功を祈るぞ。