この記事は、新卒や未経験でも海外就職をするための方法をまとめてある。
特に、以下のような人にはおすすめだ:
- 海外(英語圏)で就職したい人(新卒・未経験者含む)
- 企業スポンサービザで海外就職を期に永住権の取得を考えている人
内容は、「英語圏の現地企業や外資系企業への転職方法」と「キャリア形成の方法」がわかるように詳しく書いたつもりである。
わしが、実際にオーストラリアで就職活動した時の方法も紹介する。
このブログを読んでくれた人たちが、海外に一歩踏み出す機会に少しでもなれば嬉しく思う。
以下のことは、ブログを読むにあたっての共有事項だ:
- このブログで紹介する英語圏とは、日本よりも給料が高い国で、将来の転職市場でも活躍できる国を想定している(具体的にはアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、シンガポールなど)
- 記事の例は、オーストラリアが参考
- 日本より給料が下がる海外転職に関しては紹介しない
- レストランやホテルなどの、期間限定の就労ビザしかおりない職種については紹介しない
それでは、少し長くなるがそれぞれ説明していこう。
エージェントを介さず自力で海外就職する方法
【準備編】海外就職に必要な「職歴」と「英語力」
新卒の場合でも、転職の場合でも最重要なのは以下の2つだ:
- 職歴
- 英語力
「職歴」と「英語力」。この2つの要素で、海外就職の全てが決まると言っても過言ではない。
それぞれ詳しく説明していく。
海外就職に必要な職歴
海外就職は職歴が全てだ。
全ての求人は、「スキル」と「経験」をベースに募集がかけられている。
「企業が期待している成果を出せる人材である」と、判断できることが採用する側は重要なのだ。
海外就職の求人でよく見る「未経験OK!」という文言は、基本的に詐欺求人で給料未払いのケースが多い。
基本給がゼロの完全出来高制など、ブラックな形態が多いので注意しよう。日本の求人広告に慣れていると、このような求人に応募してしまうのだ。
よい職歴を書くためには
「よい職歴を書くためには何が必要だろう?」
結論から書くと、良い職歴とは以下の通りだ:
- 採用企業が求めているスキルがあると判断できる
英語圏の大学生は、職歴を充実させるためにインターンシップに必死になる。インターンシップで得たスキルが、充実した職歴をつくるからだ。
ちなみに「あなたが優秀かどうか」は、職歴では全く関係がない。全ては企業が判断する。
就職求人サイトを確認して、企業の求めている人材像に自分を寄せていくことが重要だ。それはつまり、自分自身をマーケティングすると言ってもいい。
英語力は「聞ける」「意見を伝えれる」を目指せ
英語力に関しては、新卒の場合「ビジネスレベル」が最低基準になる。
ビジネスレベルとは以下のようなレベルの英語力だ:
- 相手の意図を正しく理解することができる
- 自分の考えを正しく発信することができる
厳しいことを言うと、採用企業は英語ができない人を採用するメリットがない。なぜなら、現地で優秀な人材を見つけるほうが労力もコストもかからないためだ。
転職の場合に必要な英語力
一方で転職の場合、職歴が充実しているので、英語力がビジネスレベルでなくても海外就職するチャンスがある。具体的には、日常会話が問題なくできるレベルでも海外就職は可能だろう。
しかし、もちろん英語力があればなお良い。なぜなら、英語力に応じて、昇進のチャンスが変わってくるからだ。
実際にSOLO(ソロ)の受講生で海外就職をした人たちを見ると、英語力が高い人ほどチャンスを掴んでいる。
【実践編】海外就職を成功させる具体的な方法と手順
結論から書くと、海外就職を成功させるには以下の手順が有効だ:
- 手順1:自分の能力と経験を客観的に分析
- 手順2:「ちゃんとした」英文履歴書を用意
- 手順3:各国の就職求人サイトを調査
- 手順4:最低50社に応募申請
- 手順5:応募ごとに英文履歴書を最適化
- 手順6:面接練習を暗記するまで反復
- 手順7:前職の上司または同僚への根回し
それぞれ詳しく説明していこう。
手順1:自分の能力と経験を客観的に分析する
まず、日本マーケットと海外マーケットで求められる人材像が変わることを認識しよう。
海外就職ではもちろん、海外の労働市場における自分のポジショニングを確立させることが重要だ。
「海外のマーケットはどうやって知ればいいのだろう?」
答えはシンプルだが、就職求人サイトをたくさん見ることだ。
自分の能力と職歴を客観的に分析して、企業のニーズに自分をフィットさせる方法を考えよう。
自分が優秀かどうかをアピールするのではなく、企業にとっていかに自分を採用するメリットがあるか、を考え抜くことが重要だ。
手順2:「ちゃんとした」英文履歴書を用意する
英文履歴書は、ネイティブ複数人にチェックしてもらうことをオススメする。
「ネイティブの知り合いなんていないです…」
大丈夫。オンラインで英文履歴書チェックしてくれるサイトが数多くある。
例えば以下のようなサイトだ:
- My Perfect Resume:ゼロから英文履歴書が作れる
- My consulting Coach :費用が高いがコンサルタントがチェックしてくれる
- Vmock:無料でアップロードするだけでフィードバックを貰える
個人的には、費用がかかっても徹底的に英文履歴書を改善することがおすすめだ。
なぜなら履歴書が日本人の名前で書かれている場合、英文履歴書の内容に少しでも違和感があったら間違いなく落ちるからだ。
採用担当者は、平均して「20秒」しか履歴書を見ない。そのわずか20秒以内に、相手の興味をひけるかが重要なのだ。
つまり、英語に問題があるなんてのは論外ということ。
海外マーケットの中でも、自分の英語力が平均以上のレベルであることを、まず履歴書で証明することが重要だ。
手順3:各国の優良就職求人サイトを調査する
就職希望する国によって求人サイトは異なる。
英語圏で最大の求人サイトは「Indeed」、他に各国ごとの求人サイトがあるので検索してみよう。
例えばオーストラリアでは「Seek」という求人サイトの利用者が多い。アメリカはH-1Bビザを出してくれる企業だけを掲載した求人サイトもある。
例えば以下のようなサイトだ:
「国 + recrutment + site」と検索すれば、大抵の求人サイトは調べることができる。まずは調べてみよう。
手順4:最低50社に応募申請する
就職の求人サイトを絞ったら今度は応募だ。
返信率は、1割以下だ。50社応募して3通返信がくればラッキーぐらいに思っておこう。
求人は、こまめにチェックすることが重要だ。希望する職種を決めたら、アグレッシブにアポイントメントを取ることがおすすめだ。
メールだけじゃまだ足りない。どんどん電話をして、自分の力で面接まで進もう
「LinkedIn」 でリクルーターに連絡するのもいいだろう。
わしは実践していないのだが、ツイッターで知り合った実際に海外就職を成功させた日本人のアドバイスだ。
アグレッシブに自分で仕事をとりにいくこと。
日本人で現地の優良企業への海外就職を成功させた人があげる重要なポイントの1つだ。
手順5:応募ごとに英文履歴書を最適化しよう
当たり前だが、就職先ごとに求められるスキルや経験は違う。
コミュニケーション能力などのソフトスキルは、どこ企業も求めている基準は同じだ。一方でハードスキルの場合、企業のポジションによってニーズが違うので、その都度ニーズに合わせていくことが重要だ。
調整をおこたって50社に応募しても1通も返信が来ないなんてことは普通に起こるのだ。
手順6:面接練習は暗記するくらい反復する
履歴書のスクリーニングを突破すると、今度は面接だ。面接の基本は、相手にとって自分を採用するメリットを考え抜くことにある。
勘違いしてはいけないのが、面接は「自分の優秀さ」を伝える場面ではないということだ。ベクトルを、自分から企業に向けるのではなく、企業から考えた自分を演じよう。
当たり前だが自分がどのようにそのポジションにフィットするの。雇わなければなぜ相手が損をするのか、をまずは考え抜くこと。
例えば以下のような質問は自問してみると良いだろう:
- 「なぜ企業は自分を雇わないといけないの?」
- 「なぜ企業は自分を雇ったらもうかるのか?」
- 「なぜ企業の人間は、自分と一緒に快適に働くことができるのか?」
想定できる質問は全て書き出すといい。
英語がネイティブでないことはハンデでしかない。他の応募者より仕事で結果を出せることを「履歴書という実績」と「面接という熱意」を掛け合わせて証明するしかない。
手順7:前職のボスまたは同僚に根回しする
海外就職では、レファレンスチェック(第3者評価)が一般的だ。あらかじめ前職の同僚に連絡をしておこう。
自分が会社に送った英文履歴書を、同僚に送ってズレがないように頼んでおこう。また、どういう風に伝えて欲しいかまで頼むのもいい手だと思う。
就職希望の企業が求めるスキルや経験を前職の同僚に伝えた上で、自分はそれができる人物だと第三者に売り込んでもらうことが大切だ。
【番外編】海外就職に関する豆知識
海外就職でスポンサービザを発給してくれる役職
スポンサービザを発給してくれる役職は、例外がない限り以下の2つしかない:
- 役員含む上級管理職
- ソフトウェア・エンジニア
企業の需要と供給がミスマッチしている役職、それが上記の「管理職」と「ソフトウェア・エンジニア」だ。新卒・未経験の場合、エンジニアを目指すことが海外就職の近道になり得るだろう。
しかし現実的には、企業にとってスポンサービザはコストがかかる。よほどの能力を見込まれない限り、発給されるのは難しいことを覚えておこう。
海外就職スポンサービザの王道は?
スポンサービザには永住権に繋がる職種がある。
あらかじめ職種を決めてから、逆算してキャリアを形成することが理想的だと思う。
ちなみにオーストラリアで2012年から2018年の間に永住権の許可がおりた職種が以下だ:
データをみると、永住権獲得の王道だった「会計士」と「シェフ」が激減していることが分かる。
逆に、「ソフトウェア・エンジニア」と「プログラム・デベロッパー」の獲得率が上昇している。
2018年時点で減少している理由は、以下の理由が考えられる:
- 英語力の基準が上昇した
- 年齢制限が設けられた
- 457 Skilled Visaが廃止された
時代に合わせて国のルールも変わる。最新の正しい情報を、自分の目で確認することが重要だ。
海外就職に強いソフトウェア・エンジニア
「私なんか、海外就職なんて無理か…どうしよう…」
と、諦めるのはまだ早い。
なんとか職歴をうめて、求人サイトから応募することだ。以下のデータは、国別の平均的な給料を比較している。これを見たら挑戦する価値がありそうだと思うだろう:
給料は、日本のおよそ3倍くらいだ。「海外は生活費が高すぎる!」なんてことは関係なく、生活費を差し引いても比較にならないぐらい豊かな生活できる。
あなたが仮にエンジニアならば、NTTなどの日系企業の現地採用で、ビザを最初から出してくれる可能性は大いにあるぞ。
日系企業の方が求められる英語基準ももちろん低い。
残念ながら給料が半分になるが、常駐先の現地企業や外資系企業に引き抜かれることも十分可能性がある。英語力を磨きつつ、専門性を磨くのは悪い選択肢ではないと思う。
海外就職で必要な英語の履歴書の書き方
何度も書いているが、海外就職において「職歴」は最重要の要素だ。
自分からしたら大したことのない職歴でも、企業にとって魅力的に見えるように履歴書には工夫をすることが大切だ。
仮にあなたが、「塾の英語講師で教材開発に携わっていた」としよう。その際英語の履歴書は以下のように記載できるだろう:
- Teacher/Curriculum Advisor
- Responsibilities teaching+providing key insight concerning curriculum+ make sure KPIs are met through both individual performance and effectively communication to influence other employees
- Presented exceptional quality of CSS when representing the organization and successfully built solid relationships
- Fully native in both English and Japanese with a strong and effective communication skills
海外就職に必要な英語は発音から学習せよ
何度も書いているが、英語力は職歴と同じくらい重要だ。意思疎通がスムーズにできるレベルまでは、短期集中で英語を学習しよう。
英語学習は「発音」が一番重要だ。実用面の観点でも、学習効率の観点でも最も影響力がある。
発音が悪いだけで、相手はあなたの話に興味すら持ってくれない。それが海外で仕事をする時の現実だ。
非常に能力の高い中国の留学生の友人が、ことごとく就職が上手くいかなかったのは発音が問題だった。
英語力も職歴もない新卒・未経験者が成功する方法はあるのか?
厳しいことを言うと、英語力も職歴もない新卒・未経験を採用する企業は英語圏にはない。
日本で英語力を伸ばしたり職歴をつくるのも一つの手だが、わしのおすすめはワーホリビザで英語圏に移住してみることだ。
実際に現地に住むことで見えてくることがたくさんある。
もちろん職歴をつくりながら、英語力を磨くことも忘れてはいけない。単に英語圏に住んでいるだけでは、実用的な英語力は一生身につかないので注意しよう。
企業が求めるスキルを磨きつつ、アルバイトと勉強を両立して英語力とコミュニケーション能力を伸ばそう。
定期的に求人情報をチェックしながら試しに気になった企業に応募してみることも重要だ。仮説検証をしながら英文履歴書と面接のスキルをアップデートし続けるのだ。
他にもイベントやコミュニティに入って、現地の人脈を増やしていくこともおすすめだ。ちなみにこの方法で大手外資系企業での営業職を手に入れた日本人を2人しっている。
たとえワーキングホリデービザであれフルタイムで雇用された経験があるということは、海外就職では圧倒的に差別化になる。海外就職を諦めたとしても、その経験があれば日本にでは就職に困ることはないだろう。
【最後に】海外就職を検討している人たちへ
企業スポンサービザではなく技術移民として
オーストラリアには企業スポンサービザと同じくらい、技術移民としてビザを取得して移住をしている人たちがいる。
以下はオーストラリア政府が公式に公表している移民の数値だ:
技術移民として見事オーストラリアのアデレードに移住したMinaさんのブログはとても参考になると思う。
一つの生き方に縛られないというのはすごく魅力的だ。
著者から海外就職を検討している若い人たちへ
「何をしたいかはわからない、でも海外で就職をして世界で活躍したいんだ!」
という強い思いを持っている人は、今からでもコードを学ぶことをおすすめする。なぜなら全ての産業がソフトウェア化されていくなかで、供給が確実に足りなくなるからだ。
2019年現在、ソフトウェアエンジニアは世界中でひっぱりだこになっている。これからこの流れは加速するが、同時に求められる英語力の基準が高くなることを覚えておこう。
仮にコードを学ぶのならば、一度以下の記事を読むと参考になると思う:
日本は、他人の人生にやたら「いちゃもん」をつける人が多い気がする。
両親、学校、先輩、エージェント、が口を揃えてこんなことを言っている。
- 「あの企業に入れば将来安泰!」
- 「お前には無理だって!」
- 「君のためを思って…」
- 「あまり親を心配させるな..」
うむ。まことにうるさい。
このような事は無視をするのが一番良い。しかし、無視しているつもりでも私たちの認知は徐々にすり替わっていくから恐ろしい。
同じような言葉を毎日聞いていると、「あの人がいう事が正しい…」という思考回路が構築されてしまうものだ。。
厳しいことを言うが、これはあなたの人生だ。
自分の頭で考えて意思決定をしなければならない。そして自分の選択に責任をもって生き続けなくてはいけないんだ。
海外就職は運も大きな要素
海外就職も、日本の就職と同じように以下の要素に左右される:
- コネクション
- タイミング
- 人の巡り合わせ
今回の記事はそんな「運」に頼ることなく、自分でなるべく未来をコントロールする方法を紹介したつもりだ。
結局何が言いたいかというと、海外就職が上手くいかなくてもへこまないで欲しいということだ。
自分の頭で考えて、勇気を持って一歩踏み出し続けていればいつか結果はでるものだ。
英語力に自信がないなら、まずはTOEICで700点あたりを目標に独学で頑張ってみたらどうだろう。ちなみにTOEICは、公式問題集を5回ほど往復して解けば100点以上は簡単に伸びるよ。
独学が大変ならSOLO(ソロ)を頼って欲しい。正しく自分を表現するための英語力を身につけるカリキュラムだ。
この記事がすこしでもあなたの助けになれば嬉しい。
最後まで読んでくれてありがとう。では、会えるのを楽しみに待っているよ。
著者に関する情報:
- Twitter:ルーク@SOLO(ソロ)英会話 @soloenglishjp
- Note:英語の「今まで」と「これから」
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[…] ちなみに英語圏で海外就職したい人向けに記事書いたので参考にしてね。 […]