TOEIC満点でも日本人が英語を話せない6つの理由

「TOEIC満点でも、英語は話せない」

こんなことを、聞いたことはないでしょうか。

私がまだ大学生だった頃、10年以上前でも「TOEICで英語は話せるようにならない」という常識があったと思います。

本来はかなり高い英語力である「TOEIC満点」それなのに、なぜ英会話になるとついていけないのか。

今回は、そんな英語が話せない理由について説明していきます。

TOEIC満点でも英語が話せない!?

TOEIC満点と他の英語試験

まずは、TOEICと他の主要英語試験の換算表をみてみましょう。

IELTSと他の英語資格のスコア換算表

TOEFLでおよそ100点。IELTSのバンドスコアが7.5。英検1級以上。

決して英語力が足りないから、英語を話すことができない、と言うわけではなさそうですよね。

上記のスコア以下でも、堂々と英語を話せる非ネイティブは数多く存在します。そう考えると、英語力以外に英語が話せない理由がありそうだ、と思えてきますよね。

日本人が英語を話せない6つの理由

結論から書くと、日本人が英語を話せない理由は次の6つです。

  • 理由1:英語を話すことに対して自信がない
  • 理由2:英語を話す必要性がない
  • 理由3:コミュニケーションに対する認識が違う
  • 理由4:英語を正しく話そうとする
  • 理由5:アウトプットの訓練が足りていない
  • 理由6:勉強環境と実践環境の違い
  • 理由7:発音の軽視

それぞれ説明していきますね。

英語を話すことに対して自信がない

対人コミュニケーションにおいて最も重要な要素は、話し手のマインドセットです。

なぜなら、自信という非言語要素が与える影響力の方が、言葉という言語要素よりも強いからです。

例えば、私たちは自信がないと、目線が下に向き、ボソボソと曖昧なトーンで話してしまいがちです。

コミュニケーションはチャレンジの連続

良質なコミュニケーションには、チャレンジが不可欠です。チャレンジのないコミュニケーションは、単なる情報の伝達でしかありません。

「こんなことを聞いて大丈夫かな?」
「こんなことを話したら引かれてしまうんじゃないか…」

そんなネガティブな想いを乗り越えた先に、良い人間関係が生まれるチャンスがあります。そのチャンスに飛び込むための、行動力の源泉が自信なのです。

英語を話す必要性がない

私たち人間は、必要性のないことはやりません。投資する時間と労力が無駄になるからです。

つまり「何となくできたらいいなぁ…」と思っていることは、達成できないということです。英語は、まさに「できたらいいなぁ」と思う程度で、必要性も緊急性も引くですよね。

今まで1,000人以上の方に英語を教えてきて、途中で英語学習をやめてしまう人には共通の理由があります。それが必要性です。

例えば以下のようなケースです:

  • 半年に一度だけ国際会議で英語を話す
  • MBAを取ろうか悩んでいる
  • 将来が心配だから英語を勉強する
  • etc…

必要性が十分でないと、ライフスタイルの変化や、仕事の忙しさで、学習を止める理由がたくさん出てきます。

コミュニケーションに対する認識が違う

そもそも、コミュニケーションの違いを認識しないで、英語を話してもコミュニケーションが成立しません。

多くの日本人はコミュニケーションの際に、前提として以下のような考えを持っている傾向が強いです:

  • 相手からのリアクションを待つべきだ
  • 聞き返すことは失礼だ
  • 角の立たない主張をするべきだ
  • 雰囲気で察してくれるはず
  • etc…

一方で、英語圏の人たちが前提として持っている考えは以下のようなものです:

  • 主張は明確に発信するべきだ
  • 分からないことは聞くべきだ
  • 人それぞれ認識が違うのは当たり前
  • etc…

モノ・カルチャーで通用するコミュニケーションと、バイオ・ダイバーシティで通用するコミュニケーションは質が違います。

つまり、日本文化で通用するコミュニケーションを英語に訳すだけでは、英語圏ではうまく機能しないということです。

英語を正しく話そうとする

「間違ったらどうしよう…」

「この表現であってるのかなぁ…」

こんなことを考えながら英語を話していませんか。

私たちは、長い教育課程で「間違えることは悪いことである」という感覚が自然と培われます。この染み付いた感覚が、英語を話す上でも弊害になります。

少しでも自信がないことは発言しない。そうやって発英語で発言する機会を減らすことが、結果として英語を話せないという結果を導いています。

アウトプットの訓練が足りていない

アウトプットスキルは、アウトプットでしか成長しません。しかし、たくさん話せばそれでいいのか、と言われるとそれでもアウトプットスキルは成長しません。

重要なことはアウトプットを振り返り、改善してくプロセスです。客観的に自分のアウトプットを分析しない限り、自分では「できてる!」と思う感覚から抜け出せません。

シャドーイングはアウトプットではない

シャドーイングをアウトプットと混合しているケースも多いです。

シャドーイングは、聞こえた音の出し入れです。そこに「考える」「意図を読み取る」「返答する」のプロセスは含まれません。

実践のコミュニケーションで求められるのは後者ですよね。そう考えると、シャドーイングをどれだけ練習しても、コミュニケーションで言葉が詰まる姿が想像できるはずです。

勉強環境と実践環境の違い

「静かな環境でないと勉強ができない!」タイプの人は注意が必要です。なぜなら、実戦で英語を話すときは、煩雑としていて注意が散漫するからです。

例えば英語のリスニング勉強をイヤホンをして行うことに慣れていると、複数名のコミュニケーションについていけません。

実戦では、順を追ってクリアに話してくれることはありません。論点が明確でない時もあります。それでもコミュニケーションは、絶え間なく続きます。

何が起こるか分からない実践のコミュニケーションは、場数を踏むことが重要です。「講師にリードされて授業を受ける」「適当に返答する」そんなことを続けていても、実戦で使えるようにはなりません。

発音の軽視

発音に問題があると、必然的にリスニングもできなくなります。生成できない音を、私たちは無意識に雑音と認識してしまうからです。

ヨーロッパ圏の人たちが英語学習する上で、リスニングに課題感を感じない理由は、音節構造や強勢のパターンが英語と似ているためです。

発音は「フォニックス」だけではありません。以下の要素を理論から理解することが重要です。

  • 音節構造
  • リズム
  • 強勢
  • 舌の位置
  • 息を出す位置
  • 口の形
  • 音声変化

上記の全てを理解すれば、発音は習得できます。しかし現実は、全てを理解できている人は少ないです。

最後に

相手に興味を持つことはTOEICでは鍛えられない

コミュニケーションは、相手への「興味・関心」から成立します。

しかし残念なことに、私たちが英語を話すときに、興味は相手には向かいません。向かうのは私自身の「英語のできなさ」です。

「この表現であってるかな…」

「よし、次はこの質問で話をつなげよう…」

頭で次に話す英語のこと、正しい英語のことを、ひっきりなしに考えています。相手の話は半分上の空です。

よくネイティブと話すと「冷たくあしらわれた!」という話を聞きます。悲しい話ですがしかし、自分に興味を持っていない人に対して、手厚く扱うべきである。というのは、あまりにも自分本意です。

日本人が英語を話せない原因は、英語力ではなくコミュニケーションに対する認識にあるのでは、という話でした。

反対意見も歓迎ですので、是非コメントしてくれたら嬉しいです。

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