コミュニケーションは不確実性の連続です。
全く準備していない時に、不意に英語の質問が飛んでくる。こちらは会話が終わったと思ったのに、いきなり英語で話しかけられる。
頭は英語オフモード。そんな時に英語で話されると、頭が真っ白になって自分でも何を話しているか分からなくなります。
今回はそんな突然の英語に対して、どうやって対処するのか、について説明します。
突然の英語の質問への対処法
結論から書くと対処法は3つ考えられます。「フレーズの定着」「間を取る」「失敗から学ぶ」の3点です。それぞれ説明していきますね。
対処法① フレーズを身体に覚えさせる
「突然の英語に反応ができなかった…」ということは、返答するフレーズが頭に浮かばなかった。または、質問の意図を理解できなかった、ということです。
仮に、返答する英語のフレーズを思いつかなかった場合、返答の際に用いる英語表現を使えるようにしておくことが重要です。
インプットだけではとっさに英語を使うことはできません。覚えたフレーズを実際に使って、身体で覚える必要があります。
例えば以下のフレーズは、英語で「断る」時に使うフレーズです。とっさに勧誘を受けた時、何かを勧められた時に使えるようにしておくと良いでしょう。
英語で「断る」表現一覧
- I’m sorry, but I’m a bit busy.
- I’m afraid I don’t have much time.
- I wish I could, but I have too much work.
- Thank you, but I don’t really like it.
- Maybe next time, thanks.
- So sorry, I really have to go now.
- Thanks. I will check it later.
対処法② 聞き返して態勢を整える
とっさに返答する英語を思いつかない場合、聞き直して冷静になる時間を作るのも効果的です。
落ち着いていたら、適切に返答できるケースがほとんどです。たとえ英語を聴き取れていたとしても、落ち着くためにあえて質問で返しましょう。
例えば以下のようなフレーズが、英語で聴き直すときには使われますね。
英語で「聴き直す」表現一覧
- Pardon?
- Excuse me?
- What did you say?
- I’m sorry I didn’t get it. Could you say that again?
- Sorry, what was that?
対処法③ 同じシチュエーションで振り返る
起こってしまったことにクヨクヨしても何も解決しません。重要なのは次に活かすための、振り返りと改善のプロセスです。
ふとした時に、突然の英語に対応できなかった時の自分を思い返してください。
仕事の帰り道。夜寝る前。ジムで汗を流している時。そして、冷静な状態で「次に同じ状況なら、こうやって話そう」と、実際に口に出してフレーズを練習しましょう。
突然の英語に反応できない原因
経験を次に活かすためには原因を理解して、対応することが重要です。
突然の英語に反応できない理由として考えられることは3点あります。「認識していない」「アウトプット不足」「マインドセット」です。それぞれ説明していきます。
原因① 日本語でも明確に答えられない
「うまく話せない」のは、「そもそも何を話すべきかが分かっていない」ことが原因だったのだ。
Takahisa Takada (2004),『ロジカル・プレゼンテーション』, 英治出版
これは『ロジカル・プレゼンテーション』の一文から抜粋した文章です。
日本語でも考えていないことは、言葉にできません。いきなり英語で言葉にするのは、なおさら難しいです。
「何て返答しようか?」「返答をサポートする理由は?」など、明確な答えが分からない場合は対応ができません。
突然の英語は事前準備が物を言う
この問題の答えは同著の中にありました。以下、抜粋です。
これに気づいてからは、言いたいことを念入りに資料としてまとめ上げることに注力した。その結果、今までの苦労がうそのように、すらすらとプレゼンができるようになった。
Takahisa Takada (2004),『ロジカル・プレゼンテーション』, 英治出版
伝えたいことがクリアな場合、言葉に詰まることはありません。これはプレゼンに限ったことではありません。
書き出すことで思考を整理し、本当に伝えたいことを理解することが重要なのです。
原因② アウトプット不足が英語の反応速度が落とす
言語習得は、運動に似ています。一瞬の間に、「不確定要素」が連続して起こります。
一瞬の反応に、頭で考える時間はありませんよね。実際にアウトプットを繰り返すことで、頭よりも身体が先に反応しないと対応できません。
「理解していても使えない」という状態は、アフトプット不足が原因です。英語で対応する場数を意図的に作りましょう。実際の英会話ではなく、頭の中でシミレーションしても効果があります。
原因③ 英語に対して恐怖感を抱いている
いきなり英語で話しかけられると、「ビクッ!」としていしまいませんか? それは英語に対して恐怖心、苦手意識を持っている証拠です。
恐怖心があると、「英語を聴き取ろう!」という肩に力が入った状態になります。落ち着いていたら対応できるものも、「早く返答しなきゃ!」と思うと、うまく伝えられません。
英語に対する認識は個人差があります。恐怖心があることが悪いことではありません。
筆者も英語に対して恐怖心があった
私の過去の話をすると、「ネイティブと同じように見られたい!」という気持ちがありました。
「同じように見られたい」ので、ろくに考えもせずに英語を話したり、英語が聴き取れないと「すごく恥ずかしい!」と思ったりしていました。
今では「できなくて当たり前」という感覚が芽生えて、少しは落ち着いて話せるようになりました。
きっかけは人それぞれ。些細なことで、英語に対するマインドが変わったりします。
突然の英語の質問への対処法 まとめ
アウトプットの地道な積み重ねで無意識に英語に反応できるようになる
今回の記事の内容は、前提として一定量のインプットがある中上級者に向けて書いてあります。
単純にインプットが足りていない場合は、今回紹介した対処法よりも英語の知識を学ぶことが重要です。
記事では毎回しつこく伝えていますが、言語学習は「継続」しなくては意味がありません。継続していく過程で、無意識に使用できる英語表現が着実に増えていきます。
短期で効果がある解決策は魅力的です。しかし、言語習得においては言語を使う「楽しさ」を意識して、英語を自然に話せる環境を意図的に作ることが重要なのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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