「Google翻訳の精度がこれから高まるし、これから英語を勉強する必要ないでしょ」
このブログはこんなことを考えている人に向けて、オンライン英会話事業を運営する筆者の見解を述べた記事である。
特に以下のような人にはオススメの記事になっているよ。
この記事にオススメの人:
- 今後のために英語学習をやるべきか迷っている人
- 英語を勉強しない理由を探している人
この記事は実際に英会話事業を運営する筆者の観点と、過去に海外で実際に働いていた経験をもとに書いてある。
読み終わるころには「なるほど、確かに英語学習が必要な理由はあるんだな」という新しい気づきを得られれば嬉しい。
結論から言うと、筆者は今後英語の必要性がより高まると思っている。「英語学習の必要がないよ!」という意見を肯定する記事ではないので、注意してくれ。
では始めよう。
Google翻訳が進化しても英語学習が必要な4つの理由
Google翻訳が高精度!そんな時代に英語学習は必要?
Google翻訳の精度が高まってどんどん便利になっているよね。英語が少しできる日本人よりも、はるかに高い精度で翻訳してくれる。コンテクスト(文脈)に影響を受けるが、現在おおよそ80%以上の精度と言われていてこの精度は今後どんどん高まるだろう。
もう一度結論を言うと、わしは今後はGoogle翻訳の進化とともに、英語学習の必要性はより高くなると考えている。なぜならGoogle翻訳は補助的な役割は果たしてくれるが、英語学習の本当の目的は達成できないからだ。
英語学習の本当の目的。それはつまり生きているコミュニケーションであり信頼関係だ。たとえGoogle翻訳の精度が高まったとしても、他者と本当に強い信頼関係を築くことは難しいのだ。
「信頼関係?ボディランゲージとノリがあればなんとでもなるでしょ!」
このように考えた人は少し一呼吸おいて考えて欲しい。お酒を飲みながらで気軽に話せる信頼関係と、ビジネスや学会、一人の人間として、対等に話せる信頼関係は同じものだろうか?
この問いに対する海外で働いてきたわしの持論はノーである。
英語圏では特に顕著だが、英語ができないとネイティブと同じ視点に立つことができないのだ。「英語ができない人」と思われた時から、あなたは英語ができる彼らよりも立場が低くなる。
それはつまり重要な話はあなたにしなくなる。表面的で当たり障りのないことしか話さなくなる。なぜならあなたに話しても理解されることがないからだ。
…
もう一度結論に戻るが、わしは英語学習の必要性は今後より高くなると考えてる。
それはつまり中途半端な英語力はいらなくなるということだ。Google翻訳が単なる情報の伝達はやってくれるからね。
これから英語学習を考えている人は残された道が2つある。信頼関係が構築できるレベルまで英語学習をするか、全くやらないかのどちらかだ。
わしがばぜそう考えるか。その4つの理由をGoogle翻訳が抱える4つの欠点をもとに考察していこう。
Google翻訳時代のツールとしての英語学習
British Councilよると英語話者・学習者の人口は2006年に8億人。2014年15億人。2020年に20億人という推移で年々上昇している。
その事実を踏まえて英語が今後も必要になる理由は以下の4つだ。
英語学習が必要になる4つの理由
- 1. サイエンスの共通言語が英語である
- 2. ソフトウェアのプログラムが全て英語である
- 3. インターネット上のデータが英語である
- 4. ビジネスで信頼関係を築くための共通言語
人類が進化するためのコミュニケーションはすべて英語でなりたっている。インターネットの発展で膨大な量の英語知識の集合体がオンライン空間にできて、その空間から新しいテクノロジーがどんどん生まれている。
そして複雑に知識が絡みあう時に必要になるのがより精度の高いコミュニケーションである。一人の人間の能力では処理できない問題を、コミュニケーションを軸に他者と共同作業して乗り越えていく必要がある。
言語の本質は人間そのものだ。伝える言葉はあなた自身を映し出し、あなたの価値が相手に伝わった時に信頼関係がうまれる。どこかにある既存の情報を翻訳することでは代替できないのだ。
英語学習が必要だと考えさせられるGoogle翻訳の問題点
問題点1:Google翻訳の時差
Google翻訳でまず問題になるのが翻訳時差についてだ。
リアルタイムで進む英語のコミュニケーションには時差はストレスでしかない。翻訳機器(今市場にある翻訳機器は全てGoogle翻訳のテクノロジーが基盤になっている)では平均して3秒から8秒の時差がある。この数秒がもたらすストレスは計り知れない。
翻訳機器は例えば観光などで「どの商品がオススメですか?」「これはおいくらですか?」ぐらいの英語のやりとりや、道案内など英会話の助けにはなるだろう。
しかし他国の人と協働して価値を生み出す時には、翻訳時差がスムーズなコミュニケーションを阻害してしまう。例えば数年前のビデオ通話などを想像すればわかりやすいだろう。
数年前のビデオ通話を使ったことがある人はわかると思うが、話している最中に相手の声が途切れ途切れたり途中で止まる。止まっていた思ったら突然動き出す。その結果、よりスムーズにコミュニケーションが取ることが可能な音声通話を利用したり、わざわざ会議のために新幹線に乗っていた人もいるくらいだ。
ちなみに多国籍環境で英語をベースにサービスを立ち上げたり、英語で協働して問題解決をする場合に、チーム内に誰か英語ができない人がいると課題達成の難易度が高くなる。
問題点2:Google翻訳の精度
次にGoogle翻訳の精度についてだ。現在「単なる情報収集」だけでも英語を日本語に翻訳する精度ははおよそ80%。高くても95%だ。
95%と聞くと凄く精度が高いように思えるが、言語における5%の精度の誤差は致命的だ。20%から5%ほど英単語が分からない英語の文章読むところを想像してみてほしい。ほとんど理解できないことは受験の経験で立証済みのはずだ。
またGoogle翻訳のテクノロジーは英語がベースになっている。それはつまり英語がハブになって翻訳がおこなわれるということだ。
例えば日本語を中国語に翻訳する場合、直接日本語訳から中国語は翻訳されない。一度日本語を英語に、英語を中国語にしてから翻訳されるのだ。工程が1つ増えるだけで、より精度の部分には不安が残る。
ちなみに英語と語源が近いスペイン語やドイツ語ですら、コンテクスト(文脈)に依存した会話や文は正しく翻訳できない。
言語は文化なのだだ。世の中では英語で表現できない概念や感覚などがたくさんある。そんなことを考えるとGoogle翻訳の精度が上がっても、英語学習が必要そうだと思えるようになったのではないか?
問題点3:社会概念はGoogle翻訳できない
Google翻訳の精度について「残りの5%から20%程度、翻訳精度が上がるのは時間の問題では?」という疑問が出ると思うが、精度を上げることは難しい。なぜなら言語は社会で形成とともに形成されるからだ。つまり言語は社会的なコンテクスト(文脈)に依存している。
例しにGoogle翻訳で「I miss you.」と調べてみよう。日常的によく使われる表現が「あなたがいなくて寂しいです」というまったく見当違いの翻訳になってしまう。原因は単純で日本語社会では「I miss you」という概念がないからなのだ。
同じように日本語で「反省しています!」と英語に翻訳してみよう。「 Regretting.」と出てくる。単純でよく使う日本語(もしかして口癖になっている人もいるのかな)ですらうまく翻訳できない。英語では「反省する」という社会概念がないからね。
英語圏では「自分で考えて決断をだすこと」が社会で重要とされていて、自分の決断に対して過去の行動を「Reflect」はできるけど、日本語でいう「反省」はできないからなのね。
このようにGoogle翻訳できない言語表現は無数にある。これが決定打となり英語学習がなくなることはないだろう。
必要性その4:非言語はGoogle翻訳できない
コミュニケーションの8割以上は、非言語情報のやり取りだ。リアルタイムで非言語情報である「表情」や「間」を解析する技術はまだない。Google翻訳は文字と音声をベースとしているので、コミュニケーションの大半を占める非言語情報は翻訳できない。
さらに自分の意思や感情を「表情」や「間」に変換する技術もまだ存在していない。コミュニケーションの重要要素である「意思」「感情」「表情」「間」を伝達する技術はこれから発展する分野だ。注意(Attention)の研究はあるけどね、意思とか意識の研究はまだ始まったばかりだ。
ちにあみにどれも研究に数十年必要なレベルの課題のようだ。
Google翻訳が対応できない非言語はたった15%前後にすぎないが、その数パーセントこそあなたの価値が表現される部分だ。自分自身を表現するための英語学習はさらに必要になると考えられる。
言語学習の必要性は他文化理解から
言語学習が今後より必要になるもう一つの理由として「他文化理解」がある。
他文化を理解するのことは難しい。日本のコメディで格闘家が有名人を蹴って笑いが起こるシーンとか、黒人を洗濯機に入れて白人になって出てくる中国のCMとか。ある文化では面白いものが、他文化では間違いなく訴訟が起こる。
単に海外に住むだけ、単に仕事で与えられた課題をこなすだけなら英語力だけあれば十分だ。しかしその一歩先、相手のことを理解して 、自分のことを理解されるためには他文化理解が欠かせない。
わしがオーストラリアの仕事を辞めて一人で中国に住んだ時に思ったことがある。本当に現地の人と信頼関係を築きたかったり、相手のことを理解するためには自分の言葉で中国語を話すしかないんだと。
英語があればどの国でもある程度はコミュニケーションがとれる。しかし英語で話している限り、わしは常に「よそ者」なのである。
現地の言葉を話すということは、その国が長い歴史の中で形成した社会概念や国の価値に触れるということだ。現地の言葉を学ぶと言うことは相手をリスペクトして、まず相手を理解すると言うコミュニケーションの原則なのだ。
今後Google翻訳がより精度をました時に必要な英語力
Google翻訳がますます発展する中で今後必要性が高まる英語力は「相手が言うことを理解して、自分の意見や価値を正しく伝えることができる英語力」だ。
単に流暢で中身のない中途半端な英語力は必要なくなる。英語っぽい発音でネイティブっぽく話すと言うことに価値がなくなり、英語の中身がより重要になるだろう。必然的に英語学習の方法も変わってくるはずだ。
これからの英語力を伸ばすために必要な学習方法
「英語の中身が重要になるって言われても勉強の仕方がわからない」
そう思う人もいるだろう。そんな人は以下の記事を参考にしてほしい。英会話事業を十年以上続けているわしが独学で英語習得できる方法をまとめてある。
仮にゼロから英語学習を始める場合は、英語の中身を伸ばすトレーニングではなく、短期間で一気に基礎英語表現を詰め込もう。第二言語習得理論という研究分野で言語学習初級者の短期集中学習の効果は立証されているのだ。
これからの時代に必要な英語力の伸ばし方を紹介した記事:
Google翻訳の進化と英語の必要性まとめ
Google翻訳の超進化と未来
このブログに書いた事が全く参考にならないことももちろんある。Google翻訳が超進化を遂げて脳にチップ埋め込んで即席で英語話者になれる。なんて事になったする未来もあるかもしれない。
未来はわからない。だからこの記事では「英語を勉強しなさい!」ということは言わない。英語を勉強しないで自分が信じることに時間を投資することもきっと違う楽しい未来が待っている。
ただビジネスは英語でできるようになると非常に楽だ。例えばわしが苦手なのが日本語で「寒さもようやく衰え始めましたが、いかがお過ごしでしょうか。さて…。」と意味がない文字を列ねることだ。英語だとそんな遠回りはしないで「Hi!支払い期限が迫ってるよ!支払い期限は○○だからね!よろしく!」と言いやすい。
友達とはグダグダ話すのは日本語だと楽しいね。「そだねそだね。うんうん。わかるー」みたいな。
もしかしたら未来ではイアホンつけて翻訳機器を通して口説かれたりするのものなのか。国際結婚をしてもお互い翻訳機を手放さないなんてこともあるのか。色々と想像ができる。こんな未来にかけてもいいかもしれない。
しかし覚えていてほしいのは仮に翻訳機能が進化を遂げても¥その翻訳機器から聞こえてくるのは結局は自分の母語ということだ。
確かに音は英語なんだけど、話の道筋や中身は日本語である。翻訳機を通して聞いている人は「英語なんだけどなんだか不自然な英語」という感覚だろうか。だったら何が問題だというのだ?さあ..わからない。
どうしてもそういう世界が想像しずらいのは、私が言語というものに妙に幻想を抱いているからなのかな…。
この記事が少しでも参考になれば嬉しく思うよ。最後まで読んでくれてありがとう。
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[…] でもほら、自動翻訳が発展したら英語学習は将来いらない…ごにょごにょ…と考えている君に記事をかいているので参考にしてね。 参照: Google翻訳が発展しても英語学習が必要な4つの理由 […]
[…] ちなみに余計なことを書くと、ワシはAI(自動翻訳や通訳)がどんどん発達していく時代には仕事においてこそ英語の必要性が高まると考えています。ここに書くと長くなるので別ブログ参照にしてね。 参照: AI時代にビジネス英語の勉強が必要な4つの理由 […]