こんにちは!SOLO(ソロ)のルークです!
最近、カウンセリングで以下の質問をよくいただきます:
「ソロは英語中上級者向けとのことですが、中上級者とはどのくらいのレベルでしょうか?」
確かに分かりにくいですよね。
英語のレベルを測定する外部資格はたくさんありますが、「これができたらあなたは中上級者!」という明確な指標はありません。
かといって自分で「私の英語力は中上級者レベル!」と思うのも、なんだかおこがましいですもんね…
そこで今回の記事は、そんな「自分の英語力が世界基準でどの程度のレベルなのか分からない」と感じている方に向けて、英語中上級者だからこそ直面する課題と特徴を紹介します。
英語中上級者の共通する悩み
英語中上級者が抱える悩みは以下の通り:
- 悩み1:伸び悩み
- 悩み2:英語力に関する認識
- 悩み3:英語を話すプレッシャー
今までカウンセリングを受けてきた経験と、言語習得の過程で陥りやすい課題を統合すると、悩みは上記の3点に分けられます。
詳しく説明する前に、まずは英語中上級者「Aさん」が直面した課題に関するコラムをみてみましょう。
コラム:英語中上級者「Aさん」が直面した課題
ビジネス現場で使える英語力を習得することを目標として始めたTOEICの勉強。
スコア750点くらいまでは順調だった。通勤中にコツコツ単語を覚えたり、「TEDトーク」をシャドーイングをするだけで、受験のたびにスコアがどんどん伸びていったのだ。
しかし暗雲が立ち込めたのは、スコアが700点を超えたあたり。
それまで毎回のテストで50点以上伸びていたスコアの伸びが悪くなってきた。今では調子が良ければ780点前後、悪ければ720点前後を行き来している。
「何か自分の勉強方法に問題があるのかもしれない…」
そんな考えがよぎるが、他に良い勉強方法が分からないし、何よりも時間がない。結局今までと同じように、単語をコツコツ続けることくらいしかできないのだそうだ。
「まだ字幕無しで映画を見ても、2割も理解できないのに…。これから先が思いやられます。」
彼は上の空でボソッとそう呟いた。
「だんだんと、英語勉強のモチベーションが下がってくる実感があるので、このままだとまた英語の勉強をやめてしまいそうです…」
悩み1:英語中上級者は「伸び悩み」を感じている
そもそも「英語中上級者」を表す明確な定義はありません。
しかし、直面する課題は「英語が全くできない初級者」と「英語がある程度できる中上級者」では全く異なります。
例えば英語初級者は以下のような悩みを抱えています:
- リスニング:相手が何を言っているか分からない
- リーディング:正しく意図を理解できない
- ライティング:書けない
- スピーキング:話しても英語が伝わらない
- その他:何を勉強するべきか分からない / 英語勉強に対してやる気が起きない
つまり英語初級者は、そもそも「できないこと」に関して悩みを抱いています。
続いて中上級者の悩みをみていきましょう:
- リスニング:何となく理解できるが自信がない
- リーディング:理解できるが時間がかかる
- ライティング:書けるが時間がかかる
- スピーキング:細かい考えや情報を伝えられない
- その他:周りから「英語ができる」と認識される / 突然の英語には反応できない
つまり中・上級者は「英語ができるからこそ」課題を感じます。
英語を運用できるようになって、実際の現場で使った時に感じる「焦り」や「自信のなさ」「恥ずかしさ」が課題の源泉ですね
悩み2:英語中上級者が認識する英語力
さらに根本的な原因を考えてみましょう。
初級者は「英語のインプット不足」が悩みの源泉にあります。一方で、中上級者は「英語に対する認識」が問題であることが分かります。
「英語に対する認識」というのは、例えば以下のようなことです:
- 自分の英語に自信がもてない
- 自分の英語力に関する自己評価が低い
- 英語力の比較対象がネイティブに変わる など
多くの場合、自分の英語力を実際以上に低く認識してしまい、自信がなくなる傾向が高いです。
その原因を更にさかのぼると、英語を実際に運用した時の「失敗体験」というきっかけがあります
しかし落ち着いて考えてみると、上記のような現象は英語に限らず、どんなスキルや技能を学習しても同じことが起こります。
最初は覚えること全てが新鮮で、学習すればするほど上達を実感できます。しかしある一線のレベルを超えると、「自分ができない点」にばかり目がいくようになりますよね。
比較対象が無意識のうちに変わっている
この現象は、英語力の比較対象が無意識のうちに変わっていることで起こります。具体的には以下のように比較対象が変わります:
- 初級者:英語ができない層 VS 自分
- 中上級:英語ができる層 VS 自分
つまり初級レベルの時は、「英語ができない人」の中で相対的に自分のポジションを認識します。
しかし、中上級者の一線を超えると、ネイティブや帰国子女と自分の英語力を相対的に比較するようになります。
悩み3:英語中上級者が感じるプレッシャー
当たり前のことなのですが、生まれてからずっと英語で思考する人と自分を比較したら自分のできない点ばかりが目につくわけです。
- 何で自分の英語は伝わらないんだ…
- 周りが談笑している時についていけない…
- 簡単な英語のフレーズしか話せない…
- 話している途中で文法がメチャメチャに…
自分とは「前提」が違うにも関わらず、同じ枠組みとして捉えてしまうのですね。
「できる人たち」の中に自分がいることのプレッシャー
私ごとなのですが、私は以前サッカーをしていました。
とてつもなく下手なのですが、まれに「こいつサッカーができるやつ!」と認識されてしまうことがありました。
中学生くらいだと上背があって、少し脚が速いだけでサッカーがうまいと思われがちですよね
周りが上級生ばかりのチームでプレーすることの見えないプレッシャーは本当に苦手でした。
「ちっ!なんでこんな簡単なプレーもできないんだよ!」
という周りの視線が怖くて動きが硬くなり、余計なことばかり考えて大胆なプレーができなくなり…。
英語も似たような状況がありますよね。
ネイティブ複数が楽しそうに話している中に一人いる純日本人。自分が会話についていけず上の空になっているころに、なぜか質問が飛んでくるわけです。
落ち着いて話せば問題ないはずなのに「会話の流れを止めたくない!」なんて勝手に思ってしまい、よく分からない回答を返したり…。
特に周りから「できる」と思われると、ネイティブは容赦ないスピードで話してますからね
英語中上級者の特徴
「客観的な数値がないと自分が中上級者なのか分からない!」と感じる人も、少なからずいると思います。
しかし結論を伝えると、英語力を数値に換算することはとても難しいです。
例えば仮に「TOEIC(トーイック)」900点を取得できる人がいても、英語を運用できるかは分かりませんよね。
TOEIC900点といえば、総受講者の上位5%未満。周りからは確実に「英語が話せる人」として認識されます。しかし現実は、そんな高スコアを取得できても英語を話せず現実と理想のギャップにヤキモキしています。
これはTOEICに限った話ではなく「TOEFL(トーフル)」でも同じことが起こります。
過去の受講生でTOEFLで90点を取得した方がいます。120点満点のテストなので、スコアとしては相当高いです。海外大学に進学するために必死に勉強して取得したスコアですが、現実は授業についていけず、大学からの課題と英語学習を今でも必死こなしたそうです。
「CEFR」からみる英語中上級者の特徴
英語力を数値に換算することが難しいという前提を共有した上で、それでもあえて指標として出すなら「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」を基準にするとよいでしょう。
CEFRは以下のような表を元に総合的な英語力を判断する指標として用いられています:
上記の表から中上級者の特徴が分かります:
- 特徴1:標準的な話し方であれば主要な点が理解できる
- 特徴2:自分に関連のあることなら話せる
- 特徴3:直線的なコミュニケーションは取ることができる
ちなみに「C2」レベルが一番英語力が高く、英語ネイティブが「C2」に属します。
「C1」レベルは、英語と言語のルーツが近い西洋圏の非ネイティブの方の英語力。「B2」レベルまでくると、世界基準で判断したときに「英語が話せる」人として認識されます。
こうしてCEFRの表をみると、中上級者の多くが「B1」レベルの定義に当てはまることが分かりますよね
以下が文科省が掲載しているCEFRの概要です:
ちなみに中学・高校時代に海外留学を1年間経験したとしても、英語の勉強をしていなければ「A2」またはせいぜい「B1」程度のレベルです。
専門的でかつロジカルに会話を展開することはできません。
CFERから英語力を判断すると「伝える英語力」の重要性がわかる気がするのは、私だけではないのでしょうか。
英語中上級者にオススメの学習方法は?
以前の記事でも書きましたが、英語中・上級者は「英語を学ぶ」プロセスから、「英語で学ぶ」プロセスの移行が重要です。
また客観的に自分の英語の弱点を把握しておくと、長期的に見て英語の学習効率が高まります。
ちなみに多くの場合、以下の3つの課題が英語力に伸び悩む原因となっています:
- 発音に関する問題
- 語彙力に関する問題
- 英語の言語構造に関する問題
どれか当てはまることはありそうでしょうか?
効果的に課題を解決するためには、課題を客観的に特定することが最重要です。
「課題はこれだと思う!」と思い込んでいたりすると、他の解決策を考えることなく誤った解決策に固執してしまうケースもしばしば。
解決策が機能しないと当然ながら良い結果はでません。
そして良い結果が出ないと、英語に対して自信がなくなます。もっと英語を話すことが嫌になり、上達することがどんどん困難になります。
ビジネスシーンでも「イシューから始めよ!」とよく言われますよね?
ただでさえ時間がない中で一度立ち止まって考えることは抵抗感があるかもしれません。しかし課題を客観的に特定できることで結果的に英語学習に費やす時間が一番少なくて済むはずです。
「一人では分析が正しくできない」と思う人は、ネイティブの知り合いにフィードバックをもらいましょう。フィードバックを元に仮説検証を繰り返してみてください。
英語中上級者かどうかテストで判断したい場合
「まずは自分の英語力を知りたい!」と感じた方は、「ブリティッシュカウンシル」のウェブサイトで提供している英語レベル判定テストがオススメです。
スピーキング能力を計測することはできませんが、英語の「語彙」「フレーズ」の理解度を判定するのに適しているテストだと思います。
まとめ
英語ができる中上級者はもっと英語で悩むようになる
英語ができるようになってからの方が、英語を話すことに対する抵抗感が強くなりませんか?
例えば、私の友人は「他の日本人に英語を聞かれたくない」とか「友人の前で英語を話したくない」のようなことを考えることが多くなったことを覚えています。
もしかしたら英語を話すことで、自分が「英語ができない」ということを自覚することが怖かったのかもしれません。
英語を話すことが怖いのならいっそ、「英語が話せません」と最初にハードルを下げておいた方が楽です。「自分は英語できないから…」と自分で思い込めば、英語を理解できない自分に対して真っ当な理由ができまからね。
しかし今思い返すと、そんな風にあえて自分は英語話せないと思い込むこと知らずに逃していたチャンスがいくつもあったのかもしれません。
あなたは英語が理由になって、チャンスを逃していませんか?
今日はこれでおしまいです!こんな記事書いて欲しいなど、あれば教えてくださいね。
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