「グーグル翻訳とジェスチャーがあれば、英語できなくてもなんとでもなりますね!」
創業者のルークさんの以前の投稿で「英語の必要性」というテーマを取り扱っていますが、今回は個人的な見解を載せてみようかと思います。
テクノロジーの発展がめまぐるしい時代、貴重な時間という資源を、英語習得に割くべきか。
クリティカル・シンキングの観点からこの問題を見ると、まず第一に考えるべきはデメリット。
「英語ができる」こと。
「英語できない。代わりに有限な時間を、他のスキル習得にあてる」。
どちらの選択肢も、メリットがあるから迷います。
筆者は英会話サービスを提供していますが、あえて批判的にこの問題について考えてみます。
英語は必要な気がする…に潜む落とし穴
バイリンガル人材は貴重だ。
同時期に入社した仲間の中でも、バイリンガルとそうでない私の給料は、具体的にはわからないが結構差がある気がする。
職場でのプレゼンス。重要な案件を担当する割合。仲間からの信頼。
どれをとっても、自分より上手に感じてしまう。
客観的に自分と比べると、日本語が変だったり、書類のフォーマットがうまくできてない。
しかも本人は、それを気にしていないように見える。
「これは、チャンスだ…。」
今の仕事のクオリティを考えると、自分が英語を話せるように慣れば、確実にあいつよりも上の立場を狙える気がする。
そう考え、虎視眈々と短期集中の英会話スクールに通い始めた。
毎日シャドーイングをしているおかげで、結構英語がわかるようになってきた気がする。
「英語ができれば、今よりきっといい世界が待っている。」
そう思って頑張ってきた半年間。
確かに少しは英語ができるようになったが、現実はどうだろう?
あいつは自分が英語に時間を割いている間、新しい人脈、スキルを身につけて、もう自分の手の届かないところにいるような気がする。
一方自分は、英語は中途半端、以前と変わらない立場のままだ。
「くそぅ。俺の選択は間違ってたんだろうか…。」
「英語が必要か」「必要でないか」迷ったらまずデメリットを考える
英語に限らず、2つの選択肢があるとして、メリットを比較して迷っている人は少なくないと思います。
どっちも魅力的な選択肢だから、そりゃ迷ってるわけで…。
クリティカル・シンキングの観点で見ると、選択肢が2つある場合、メリットを比較するのではなくデメリットを比較することが重要です。
この考え方は、日常でも頻繁に目にします。
お医者さんが、患者に薬を処方する時、絶対に聞く質問が2つあるのですが、なんだか思い出せますか?
今まで生きてきて、お医者さんに行ったことがないという超人をのぞいて、少なからず経験があるはず。
ちなみに筆者とSOLO「ソロ」創業者のルークさんは病弱。1年に数回は病院に行くヘビーユーザーです。
そんなことはおいておいて、答えをいうと:
- 「アレルギーのある薬はありますか?」と、
- 「現在服用中の薬はありますか?」
以上の2つです。
つまりは、
1:「直接影響を与えるデメリット」と、
2:「導入することによって間接的に起こりうるデメリット」です。
結局どちらを選んでもメリットがあり、いいことが起きるわけで、よりデメリットの少ない選択肢を選んだほうがいいよね!という考え方です。
世界で今一番入学困難な、Minerva Schools「ミネルヴァ大学」で実践している、基本的な思考のフレームワークなので、覚えておいて損はないかと。
「英語が絶対必要だ!」派が考えてみてほしいデメリット
英語力があればできるようになることは多いことは事実です。
パッと考えるだけでも、
- アクセスできる情報数
- 多国籍間での人間関係の構築
- 給与アップ
- 脳機能の向上(ボケ防止に効果的という研究もあります)
- 海外の彼氏 / 彼女ゲット!
などなど、いいであろうことはたくさんあります。
だけどその話はもう当たり前に認識されていることだと思うので、今回はデメリットを考えてみます。
仮に「今英語力ゼロ(またはそれに近い状態)で、英語を学習しようと考えている場合」のデメリットはこんなところではないでしょうか:
- 時間を割かないといけない
- 英会話スクールなどで支出が増える(かもしれない)
- 英語ができても本当にいいことが起こるかわからない
- モチベーションが続くかわからない
- いつ自分の求めるレベルにいけるかわからない
- きつい、辛い(かもしれない)
結構デメリット多いですよね…。
このデメリットを自分の現状と比較・吟味して、「この困難を乗り越える必要があったとしても、自分にとって英語力を身につけることは大切か?」と、自分に問いかけてみるといいでしょう。
諸説ありますが、日本人が英語を習得する(この場合、抽象的な話について話せるようになるレベルに達する)ためには、4160時間学習が必要だといわれています。
確か、イリノイ大学が出した調査だと、2500時間前後だった気がします。
学習の質や、元々の言語センスも考慮すると個人差はかなりありそうですが、英語をゼロから学習するとは、そのくらいの時間を代償として払わないといけないことを考えておくべきだと思います。
「英語なんて必要ない!」派が考えてみてほしいデメリット
グーグル翻訳の制度は年々上がっているし、ポケット翻訳機もできた。もう英語なんて、絶対に必要なくなる!
今の時代、このように考える人も少なからずいるかと思います。
確かに英語を勉強しない分、考えられるメリットはいくつかあります:
- 専門スキル等の学習等に時間が増える
- 他のことにお金を使える
- (勉強をしなくていいので)楽、つらくない
なにより、優先的に他のことに使える時間があるというのは魅力的ですね。(個人的にはきつくない、っていうのもすごく魅力的)
テクノロジーで代替できてしまうのなら、英語学習を真面目にコツコツ続けている周りの人たちをだしぬく絶好の機会になりそうです。
ここで一旦立ち止まって、デメリットも考えてみましょう。
- 得られる情報量が翻訳できるもの、されたものに限られる(かもしれない)
- ネイティブの人たちに見下される(かもしれない)
- 翻訳時差によって、コミュニケーションに支障が出る(かもしれない)
- 日本語で伝えたい意図と間違って伝わって、気づけないことがある(かもしれない)
- 給与の大幅な向上ができない(かもしれない)
- 認知症になる確率が上がる(かもしれない)
- 今の職場を離れる必要が出た時に、今より上の職種を選ぶ選択肢が減る(かもしれない)
うーん、こんなところかな。
あくまで、「起こり得そうなこと」なので、断定的なことではないということは注意して考えましょう。
「こんなデメリット起こるわけないですよ!」
そう思ったら、選択肢から排除してもらって全然大丈夫だと思います。
まぁ、確実に予想できる未来なんてないとは思いますが…。
自分の人生に英語は必要なのか?
こんな偉そうなことを書いておいて、最終的にはあなた次第ですよ。が筆者の答えです。
自分人生に必要ならやればいいし、必要ないならやらなければいい。
重要なのは、何か不幸なことがあった時に「あの時英語をやらなかったら…(やっていれば…)」と後悔して、過去の自分を呪わないことですよね。
筆者が最近読んで印象に残った本で、「Learn Better」というものがあります。
その本の中で述べられていることは、学習において一番重要なことは「動機付け」であるということです。
つまりは、
「自分の人生をより良いものにしてくれるか?」という問いに、
「イエス!」と自信を持って答えられるものほど、学習成果が向上するということです。
「周りが英語やれっていうから…」
「英語できたら、そりゃいいと思うけどさ…」
くらいの感覚なら、いっそ英語を習得するという選択肢を排除して、他のことに集中したほうがいいでしょう。
さて、英語ができることで、あなたの人生はよりよいものになりそうですか?
まとめ:集中とは何をやらないべきか、決めることだ。
筆者の大好きな言葉の一つです。
言語運用に関しては、少なからず元々の人格は影響があると思いますので、必ずしも全員が英語をできるようになるべきだ!とは考えません。
ただ「英語ができたら将来有利だろうし…」という感覚で、優先順位が低くても選択肢から排除していないという状態はやめたほうがいいです。
「話せるかどうかわからないですけど、英会話サービスをやりはじめました!」
オススメしません。よほど言語の才能がない限り、納得いくように話せるようにならないと思います。
日常会話レベルの中途半端な英語力(CEFRでいうB1前後)を目指すのならば、それこそあえて英語を学習する必要なんてない。
厳しい言い方かもしれませんが、そう思います。
「英語ができれば…」なんて考えは捨てて、自分の特性にあった専門性により磨きをかけるほうがきっと、いいことが起こるのではないかと。
そう最近はよく考えます。
というのも、それほどまで企業、消費者のニーズは分散していて、特定の一つのスキルが与えることのできる影響力が弱くなっている気がするからです。
一度、ルークさんの投稿も読んでみるといいかもしれません。
筆者の知らない様々な人と交流があって、海外経験が豊富な彼の考えは読んでいて面白いな、といつも感じます。
今日はこれでおしまい。
こんな記事書いて欲しいなど、あれば教えてくださいね。
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