この記事では、IELTSのライティングパートについての解説と、各タスクについての具体的な勉強方法を紹介しています。
というのも、SOLO(ソロ)の受講生の多くが「海外進学」「大学院進学」を目指して、IELTSのスコアアップの方法を知りたいというニーズがあったためです。
情報はIELTSが公式に出版している書籍等からの情報を日本語に訳したものと、海外のウェブサイトから例文等を引用して作成してあります。
IELTSライティング
IELTSライティングパートは2つのタスクに分かれています。それぞれ制限時間と、最低限必要な文字数の制限があるので注意してください。
詳細は以下のイメージを参考にしてください。
タスク1では、視覚資料の詳細な要約や説明を求められます。表・地図・グラフ・ダイアグラムのいずれかの情報を読み解いて、文字で表現する力が必要です。
タスク2では、事象に対する意見表明や解決策の提案、考察が求められます。社会問題に対する背景知識と、ロジカルに説得力のある意見を表現する力が必要です。
IELTSライティングの採点基準
IELTSに限らず資格試験で高スコアを目指す場合は、まず採点基準を理解することが重要です。以下がIELTSで公開しているライティングの採点基準です。
ルーブリックという評価方法を取り入れています。少し見にくいと思うので、下記に日本語で簡易的にまとめたバンドスコアを載せておきますね。
重要なので、もう一度まとめますね。
IETLS ライティングの採点基準▼
- タスク1:
150字以上書き出して、質問に対して正しく回答すること - タスク2:
250字以上書き出して、質問に対して正しく回答するかつ、主張をサポートするエビデンスを付け加えること - 内容の一貫性:
論点が明確で首尾一貫した文章構成になっていること - 語彙力:
同じ語彙を使うのではなく、文脈に応じて適切な語彙を使うこと - 文法力:
同じ文法を使うのでなく、文脈に応じて適切な文法を使うこと
「内容の一貫性」について、イメージが掴めないという相談が多いので別の記事にまとめました。参考にしてください。
また、採点基準に関して、理解しておくといいことが2点あります。それは「タスクごとの配点の違うこと」と「書き出す内容は採点対象ではない」ということです。
ライティングはタスクごとに配点が違う
ライティングパートでは、「タスク2」は「タスク1」の「2倍」評価されます。つまりライティングスコアをあげたい場合は、「タスク2」の対策がより重要になります。
「タスク2」は論述形式で、書き出せるの内容の自由度が高いので、主張と理由をしっかりと関連づけて書き出すトレーニングが必要になります。
ライティングの内容は採点基準に含まれない
また主張の内容は採点対象にはなりません。ライティングした内容が例え間違っていても、論理的な整合性・語彙力・文法力がより重要です。
たとえわからない問題でも、首尾一貫したロジックで主張する方法を身につけることが高スコア取得の近道になります。
ライティング対策の鍵は「論理力」と「情報処理能力」
ライティングパートで高スコアを取得するために重要なのは2つ。「論理的に表現する力」と「情報処理能力」です。
ただし「語彙力」「文法力」が一定以上あることが条件です。最低でも英検2級、TOEIC800点程度は必要です。
なぜ「論理的に表現する力」が重要になる?
たとえ主張が間違っていたとしても、正しいロジックで組み立てられた文章は減点対象ではありません。
全ての問いに対して、背景知識を十分に得ている状態は難しいですが、論理構成力があれば一定のスコアを確保することができます。
「情報処理能力」はなぜ必要?
それぞれのタスクで必要になるのは、指示に対して的確な回答を示しているかという点です。指示内容を正確に理解できなければ、適切な回答を書くことができません。
情報処理能力とはいわば質問の意図を読み取る力と言ってもいいかもしれません。情報を正しく読み取れないと、回答が全て減点対象になる恐れがあるので、情報処理能力は重要です。
IELTSライティングの対策方法
タスク1 :「図形」「グラフ」の事実描写
ライティングタスク1では、視覚資料を端的に説明する英語力が求められます。大学受験では全く求められない英語力なので、学校教育では全くカバーできていない分、対策をしていないと十分な回答はできません。
対策方法としては、自主的にグラフや表を参考にして、内容を英語で表現することを繰り返すことが効果的です。
以下のような定型的な質問をされるので、適切に回答できるかを常に考えて、必要ならば英語を書き出してみましょう。
視覚資料を説明する時に重要なことも型にはめて説明するということです。模範回答を複数チェックすると、「事象の描写」「内容の説明」「比較」「要約」の4点が説明されていることわかります。
慣れないことなので、最初は難しいと感じますが慣れてくると使用する英語表現がわかってきます。参考までに、比較的よく使われるフレーズを以下にまとめてあります。
タスク1で使用することが多いフレーズ ▼
- 資格資料の説明
ex. The graph presents data showing…
ex. The diagram provides strong evidence that…
ex. The chart illustrates… - 事象の説明
ex. There was a gradual rise in the price of oil.
- 数値の上昇
ex. The price of oil rose gradually. - 数値の減少
ex. The percentage of homes dropped dramatically. - 比較
ex. Overall, more people preferred public transport than taxis.
ex. A higher number of people preferred public transport than taxis. - 要約
ex. To summarize, the most marked change is….
タスク2はまず身近な意見表明のトレーニングから
ライティングタスク2ではエッセイ形式です。意見表明や課題に対する解決策の提案が求められます。
自分の考えを論理的に主張するということも、学校教育ではカバーできていないので、日本の学校で教育を受けてきた私たちにとって苦手な分野の一つです。
対策方法は、身近な事柄に対する意見を論理的に表現するトレーニングから始めましょう。「さっそく過去問から…」と考えてしまいがちですが、背景知識があるトピックを中心にライティングの型を学習する方が効率がいいです。
先ほど書いたように、ライティングの内容は採点基準ではありません。
トピック全てに対して意見を持つことは難しいので、採点基準を満たす「ライティングの型」を身につけることを優先的しましょう。
参考ウェブサイト ▼
・IELTS Podcast.com
主張を論理的に組み立てることができたとして、もう一つ重要になることがあります。それが「エビデンスの提示」です。
背景知識がないことには具体的なエビデンスを書き出すことができませんよね。エビデンスがない主張は、妥当性が高いとはいえないのです。
主張に対して既存の知識または経験を照らし合わせてリーズニングする練習をしましょう。毎日ニュースや情報に触れることができる学習環境を意図的につくることも効果的です。
タスク2で出題されるトピック一覧
タスク2は以下のトピックがランダムに出題されます。あらかじめ自分の考えをまとめておくとスピーキングパートでも役に立ちます。
タスク2トピック一覧 ▼
- 芸術
- ビジネス&金融
- コミュニケーション&心理
- 犯罪
- 教育
- 家族と子ども
- 食べ物と食生活
- 政治
- 健康
- 住居
- 言語
- 休暇
- メディアと広告
- 読書
- 社会
- 宇宙
- スポーツと運動
- 観光
- 交通
- 仕事
以上のトピックを中心に6つの質問形式があります。実際の質問文も一緒にのせておきますね。
タスク2の質問サンプル ▼
- 原因と結果(因果関係):
– The percentage of overweight children in western society has increased by almost 20% in the last ten years. Discuss the causes and effects of this disturbing trend. - 対立構造:
– Some people think that exercise is the key to health, while others feel that having a balanced diet is more important.Discuss both sides and give your opinion. - メリットとデメリット:
– It is becoming increasingly popular to have a year off between finishing school and going to university. What are the advantages and disadvantages of this? - 問題解決:
– More and more people are migrating to cities in search of a better life, but city life can be extremely difficult. Explain some of the difficulties of living in a city. How can governments make urban life better for everyone? - 追尾質問:
– Art and music are considered some of the fundamental elements of society. Do you think art and music still have a place in today’s modern world of technology?Should children spend more time learning art and music at school? - 意見表明:
– Many people believe that social networking sites (such as Facebook) have had a huge negative impact on society.To what extent do you agree? Do you agree or disagree?
参照ウェブサイト:BestMyTest.com
具体的な勉強方法
勉強方法① まずはライティング
ライティングを上達させるためには、とにかく実際に書き出してみることが最重要です。
といっても、最初からエッセイ形式で書き出すことは難しいので、まずは「日常に関すること」から書き出すトレーニングをしましょう。
例えば「あなたの好きな場所は?」という質問に対して、あなたならどう答えるでしょうか?
この問いにたいしてで単に「富士山です」と答えるのでは不十分です。「なぜなのか」「どこが他の山に比べて魅力的なのか」「どんな時に行きたいと思えるのか」など、ストーリーを持って書き出すことを意識してみましょう。
勉強法法② ライティングにフィードバックをもらう
英語でライティングをした内容を、英語話者の人に見せてフィードバックをもらうことは明瞭な文章を書くためにとても効果的な方法です。
自分では論理的に表現できていると思っていることでも、他人から見るとわけが分からないケースはよくあります。他者にみてもらうことで、自分の主張にかけているポイントや改善点が明確になります。
良い評価をもらえたらモチベーションも上がりますしね。個人的にオススメな方法です。
勉強方法③ リーディングでライティング力を高める
リーディング対策で単に問題を解くだけではもったいないです。
リーディングで読む文章は、誰かがライティングした内容ですよね。つまり書き手は同じように文章構成に頭を悩ませて、意見を書き出しているということです。
上から下に英語を訳していくのではなく、文章構成やロジックを意識して読むことでライティングの参考になるのでオススメですよ。
勉強方法④ 新しく学んだ英語表現はすぐに使う
知識を「理解できる」と「活用できる」は似ているようで全く違います。
新しく覚えた単語や英語表現は、間違いを恐れずにどんどんライティングで使ってみましょう。フィードバックをもらう過程で、適切な使い方などを学習していくことが効果的です。
勉強方法⑤ 日本語でも論理的に意見を伝える練習を
私たちは自分で考えていないことはそもそも適切な言葉にできません。
日本語でもいいので、日常的に社会問題に対する意見や、問題に対する解決策などを論理的に考えているだけで、英語のライティングをする時に役に立ちます。
IELTS対策に参考になる学習サイト
いかに紹介するサイトはどれも英語のものですが、IELTSの模試を受けることができたりするので、対策に役立つと思います。
British Council
ブリティッシュ・カウンシルが提供しているIELTS用の無料リソースを利用することができます。IELTS以外の英語学習でも役に立つリソースが揃っています。
IELTS Exam Net
参考ウェブサイト ▼
・https://www.ielts-exam.net/
掲載されている問題量が多く、さらに模範解答も全て記載されていることが大きな特徴です。ライティングタスク1だけで、2019年10月現在144の質問が掲載されています。
IELTS Liz
参考ウェブサイト ▼
・ILETS Liz
英語で「IELTS」と検索するとトップに出てくるウェブサイトです。とにかく全てのパートにおいて情報量が膨大です。有料コンテンツもありますが、無料の情報だけでも価値があると思います。
IELTSライティング対策 まとめ
ライティング対策でスピーキングパートのスコアも上昇する
ライティングとスピーキングは密接に関係したスキルです。なぜなら、どちらも自分の中にある「考え」や「想い」を他者に伝達する役割がありますからね。
どちらも受け手が理解できるフォーマットでアウトプットする必要があります。つまりライティングで上手に伝達ができるようになると、スピーキングの伝達スキルも上達していきます。
しかし、ここで問題になるのが「慣習」という悪い要素です。私たちは大学受験の名残から、ライティング・スピーキング対策よりもリーディング対策に時間をかけて取り組む傾向が強いです。「単語張を先にやらねば…」という考えが頭によぎるわけです。
この思いを断ち切って、苦手な部分の克服に集中することがスコアアップの秘訣です。
確かに語彙力は重要な要素です。しかし、スコアアップの観点から考えると、今まで十分な対策をしてこなかったライティングとスピーキングの方がよりスコアアップに貢献できます。
1日最低1回、ライティングをすることを意識してIELTSのライティング対策を初めて見ることをオススメしますよ!
応援しています!
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