英語の面接(インタビュー)では、候補者の以下の観点を見極めることが前提となっています。
- Organization:自己管理ができるか
- The ability to multitask:マルチタスクでも能力を発揮できるか
- Perform to a deadline:時間やを守れるか
- Problem Solving:課題解決できるか
- Communication:コミュニケーションが取れるか
- Adaptability:多国籍な環境で柔軟に対応することができるか
- Languages:英語でコミュニケーションが取れるか
- Enthusiasm:仕事に対して熱意があるか
面接の短い時間の中で、上記の全ての観点を面接官が把握することは難しいです。そのため、基本的には履歴書(Resume)の内容と比較しながら候補者の素質を見出します。
つまり、履歴書作成の段階から面接に至るまでの間に、上記の8つの観点で「自分は十分な能力がある」ということを示すための論拠をしっかりと事前にまとめておくことが面接対策において最も有力な対策方法になります。
この時に重要になるのが、必ず論拠(具体的なストーリー)を事前に用意てしておくことです。
例えば、
- I’m good at communicating with others.
- 「私はコミュニケーションが得意です」
と候補者自身が述べても、それは主観の意見であって本当であるかは面接官は判断できません。
そのため、
- For example, when I attended one of the business conferences, I exchanged about 50 business cards in just 2hours and achieved 20 new customers.
- 「会議に参加した時に、名刺を50名と交換しそのうち20名を新規顧客として獲得しました」
のように「自分は〜〜〜である」ということを裏付ける具体的なストーリーを必ずセットで伝えるようにすることで聞き手を納得させることができます。
このように、単に質問に対して回答するのではなく、聞き手が納得できる形で自分の価値を伝えることを意識することが面接対策のポイントです。
弱みを自分の強みに置き換える
英語面接ではしばしば、
- What is your weakness?
- 「あなたが苦手なことはなんですか?」
というような質問がされます。
日本語の面接でも同じことですが、このような場合はストレートに弱みを伝えるのではなく弱みをさりげなく強みに置き換えることが大切です。
例えば、
- I’m not detail orientated. I sometimes deliver multiple beta rough versions too quickly.
- 「私は細かいことが苦手です。雑なベータ版をかなり早い段階で作成することがあります」
のように「私は雑である」というマイナスイメージを「すぐに試行錯誤してみるタイプです」というようなニュアンスに置き換えることで、弱みを伝えているにもかかわらず聞き手には良い印象を与えることができます。
もちろんこの時も具体的なストーリーがあれば、より説得力が増すのでその点を意識してみてください。
第一印象というブラックボックス
これまで英語面接対策におけるポイントをお伝えしましたが、実は最も重要と言える要素が面接の第一印象です。
オレゴン大学のFrank J. Bernieriの論文で、
- “The present study showed that a personnel director’s assessment of an applicant’s skill, knowledge and ability might be fixed as early as the initial greeting of the formal interview.”
- 「本研究では面接の最初の挨拶の時点で、応募者のスキル・知識・能力に対する人事部長の評価が定まっている可能性があることを示した」
- Frank J. Bernieri, “The importance of first impressions in a job interview”, May 2000
と述べているように、入室の段階で面接官は候補者を無意識に評価する傾向があることが分かっています。
私の周りにいる面接担当の方々に話を聞いていますが、みなさん口を揃えていうのが、
- 「第一印象で”一緒に働きたい”と感じた人が採用になることが多い」
ということです。
これは「逆算化傾向」と言われ、自分が最初に下した結論に合わせるように自然と他者を評価してしまう心理傾向のことを指します。
面接官個人の経験によって「理想の候補者像」は異なるため、第一印象の操作は非常に対策が難しくなります。
英語面接質問集 – 基本質問
面接の導入部分として、比較的質問される可能性がたかい質問を以下にまとめました。
Small Talk(軽い雑談)的な役割として機能し、この段階で少しずつウォームアップをしてから徐々に仕事に関する具体的な質問に展開していきます。
- Tell me about yourself.
「簡潔に自己紹介してください」 - What are your strengths?
「強みはなんですか」 - What are your weaknesses?
「弱みはなんですか」 - Why do you want this job?
「この職種に応募したはなぜですか」 - Where would you like to be in your career five years from now?
「5年後はどのようなキャリアプランがありますか」 - What’s your ideal company?
「あなたにとって理想的な会社とはなんですか」 - What attracted you to this company?
「弊社の何が魅力的でしたか」 - Why should we hire you?
「あなたが弊社にもたらす価値はなんだと思いますか」 - What did you like least about your last job?
「以前の仕事は何が気に入りませんでしたか」 - When were you most satisfied in your job?
「仕事をしていて最も充実感があるのはどんな時ですか」 - What can you do for us that other candidates can’t?
「他の候補者との違いはなんだと思いますか」 - What were the responsibilities of your last position?
「以前の仕事ではどのような役割がありましたか」 - Why are you leaving your present job?
「なぜ今の会社を辞めようと思ったのですか」 - What do you know about this industry?
「弊社が属する産業について何かご存知ですか」 - What do you know about our company?
「弊社についてどんなことを調べましたか」
英語面接質問集 – 仕事に関する質問
基本的な質問と異なり「具体的に前職までどのような仕事をこなしてきたのか」ということに関する質問です。
「どのように困難を乗り切ったか」などがわかる課題解決力や、仕事に対してどのように向き合っているかということを示していきます。
- What was the last project you led, and what was its outcome?
- Tell me about a time when you had to give someone difficult feedback. How did you handle it?
- What is your greatest failure, and what did you learn from it?
- How do you handle working with people who annoy you?
- If I were your supervisor and asked you to do something that you disagreed with, what would you do?
- What was the most difficult period in your life, and how did you deal with it?
- Tell me about a time where you had to deal with conflict on the job.
- What assignment was too difficult for you, and how did you resolve the issue?
- What’s the most difficult decision you’ve made in the last two years and how did you come to that decision?
- Describe how you would handle a situation if you were required to finish multiple tasks by the end of the day, and there was no conceivable way that you could finish them.
英語面接質質問集 – その他
面接とは関係のない個人的な質問をされるケースもあります。
瞬時に応えることは難しい質問もあるので、事前に回答を考えたり、回答を録音して練習しておくと柔軟性が向上します。
- How would you describe your work style?
- What would be your ideal working environment?
- What techniques and tools do you use to keep yourself organized?
- If you had to choose one, would you consider yourself a big-picture person or a detail-oriented person?
- Who was your favorite manager and why?
- What do you think of your previous boss?
- What are you most proud of?
- What are your lifelong dreams?
- What is your personal mission statement?
- What are three positive character traits you don’t have?
- If you were interviewing someone for this position, what traits would you look for?
- List five words that describe your character.
- Who has impacted you most in your career and how?
- What is your biggest regret and why?
- What’s the most important thing you learned in school?
- Why did you choose your major?
- What will you miss about your present/last job?
- What is your greatest achievement outside of work?
- What are the qualities of a good leader? A bad leader?
- Do you think a leader should be feared or liked?
- How do you feel about taking no for an answer?
- How would you feel about working for someone who knows less than you?
- What’s the last book you read?
- What do you like to do for fun?
- What do you do in your spare time?
まとめ
第一印象の操作と事前準備をしっかりと
今回の記事のポイントをまとめると、
- 面接では8つの観点の資質を見極めるために質問が行われる
- ネガティブな回答はポジティブなものに置き換える
- 印象操作は効果あり
の三点を覚えておいていただけると幸いです。
英語面接となると、緊張して質問に回答することで頭がいっぱいいっぱいになってしまうと思います。
そこで、できる限り自分が得意なフィールドに面接官をあえて誘導してみることも対策として効果的です。
例えば、上記で述べた通り、面接官は履歴書(Resume)を参考にしながら質問をおこなうので、Resumeの中に面接官が「質問したくなるフック」を作っておくと良いでしょう。
もちろん、それが思惑通りになるかはわかりませんが、自分が得意なストーリーに相手をうまく引き込むような”罠”を仕掛けておくと心持ちが大分楽になると思います。
また、最後に面接はあくまでゲームみたいなものです。
確実に採用されるということはなく、どこか不確実性があり完璧に対策していても不採用になることは誰しもあるので落ち込まず(かなり大変ですが)改善しつつ数をこなしていく心意気でいきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。