この記事ではネイティブ複数人の英語での会話についていけない人向けの原因と対処法を書いています。
この悩みを持っていることがあなたの英語が中級以上にある証明です、必ず乗り越えましょう
ネイティブが複数いると英語が話せなくなる
ネイティブと一対一の会話ならなんとかなるのに複数になった途端、会話についていけなくなる。会話の途中で聞き返しづらくなるというご相談を受けます。
特に、普段から英語で仕事をしている外資系企業の方や、海外在住の方からそのようなご相談を受けます。
詳しく話を聞くと、一対一だと落ち着いて会話を続けられるのに、複数になると相手のペースに合わせてしまい理解が追いつかないという状態のようです。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
原因を考えて、どうすれば良いのかという対処法について考えてみましょう。
英語の会話でついていけなくなる原因
英語が聞き取れない原因は、大きく以下の3点のどれかになります:
- 原因1:英語の音声を生成できない
- 原因2:単語やフレーズがわからない
- 原因3:背景知識がない
私たちは「自分が生成できる音」は認識でき、生成できない音は雑音として脳が自動的に処理します。
つまり「きちんとした発音で英語話せるか?」ということが、聴き取る上では重要になります。
「原因2」と「原因3」はつまり、自分が知らないことは理解できないということです。英語に限らず、日本語でも同じことが言えますよね。
例えば私が「ブロックチェーン」の話を聞いても何も理解できないです!
なぜ複数になると英語が分からなくなるのか
上記で紹介した3つの原因は、一般的な英語が聞き取れない理由です。
しかしたとえ上記の3点を克服していたとしても、ネイティブが複数いる状態での会話の難易度は非常に高く感じます。
それは以下の原因があると考えられます:
- 原因1:ESLとしての英語でなくなる
- 原因2:話題が相手のメディアよりになる
- 原因3:間の取り方が変わる
どういうことなのか詳しく見ていきましょう!
原因1.ESLとしての英語でなくなる
ネイティブが話す英語は、世界中で20億人が話すESL(English as a Second Language)としての英語とは違い、むしろマイノリティに属します。
私たちが勉強している英語はESL、つまり第2言語としての英語です。
一般的にネイティブスピーカーが、非ネイティブと話すときは、無意識にESLの英語に少し近づけて話します。
しかしネイティブスピーカーが複数人になると、ESLの英語に近づける必要性がなくなりネイティブ本来のコンテキストで話が進行します。
それが複数になった途端に、非ネイティブにとっての難易度を飛躍的に高める原因です。
例えば、日本語を学習している方と一対一で話すときは、無意識にゆっくり相手にわかりやすい表現で話しますよね。
しかしその場面にほかの日本人が加わると、どうしても日本人同士では省略語や無意識にある前提知識をもとに話をしてしまいます。
中国にいた時に同じような状態になり、お地蔵さんみたいに沈黙した経験がたくさんあります!
原因2.話題が相手のメディア寄りになる
「話題が相手のメディア寄りになる」とは、 どういうことかと言うと、相手の背景知識を中心に話題が展開されることが多くなるということです。
よく言われることですが、日本語と英語の情報量の違いは10倍以上あります。つまり、話題のほとんどが日本語では得られない情報元からの内容になることがあるということです。
日本では英語の情報に積極的に触れる人が少ない印象が個人的にあります。
稀に英語で情報収集しているケースもありますが、どこか「よっこらしょ」というような気合が入っていて:
- TIMES紙読んでます
- 1日10記事読んでます
- BBCが…
- National Geographicが…
というように少し頑張っている感が否めません。
しかしネイティブスピーカーは、日常で当たり前に「英語の情報の波」の中で生きています。
さらに、ネイティブが持っている共通の前提知識があります。 会話のルールだったり、世界で話題になっているトピックだったりです。
例えば「M1グランプリ」で優勝した芸人の話をネイティブしても理解されませんよね!自分が生きている情報圏で話題になるトピックの前提が違うわけです。
そして会話の種がそこから出てきて、展開される。お手上げになるというわけです。
原因3.間の取り方が変わる
ネイティブが複数になると、間の取り方が変わります。
例えば、一対一で話す時はコミュニケーションは直線的なキャッチボールです。つまり会話に順番があります。
しかし複数になると、相手の話にかぶせて話すということが起こしたり、会話の流れとはイレギュラーな変化球が突然飛んでくるわけです。
もちろんコミュニケーションの姿勢に関しても違いがあります。
例えば、オーストラリアの高校では以下のようなことを教えられます:
- 他人は理解できないからきちんと言葉で伝えましょう
- 言葉にできないことはあなたの気のせいです
教育課程で上記のように教えられていることで、何かについて思ったことを「ぽっ」と吐き出すように生きています。
よく日本人は「空気を読む」と言われますが、ネイティブが空気を読まないということではありません。
ネイティブも彼らの価値観の中で空気を読み、それでも自分の考えをきちんと伝えるべきだという前提のもとで話しているのですね。
複数のネイティブの会話についていくためには…
これまででの説明で、ネイティブ複数人の会話についていけない原因は分かったかと思います。
ここからは対処法を一緒に考えてみましょう。
基本的には、先ほど紹介した原因と逆のことを考えるとそのまま対処法になります:
- 対処法1:洋画・ドラマをみる
- 対処法2:英語のメディアに触れる
洋画やドラマを見ることで、ネイティブ同士の会話のコンテキストや間の取り方を自然に理解できるようになります。
また一定量の英語の情報をインプットする過程で、途中で要点が理解できなくてもリカバリーすることができるようになります。
もちろん、会話内容を聴き取れることが前提なのである程度英語力のある方向けの対処法ですが、ストリーミングサービスを使えば選択肢はたくさんあります。
英語のメディアに触れることで、前提知識を共有していきます。
Twitterを活用して、気になる英語アカウントをとにかくフォローしてみましょう。彼らがシェアしているブログ記事や、情報を中心にインプットすることで、世界で話題になっていることを優先的に理解することができます。
英語を話す上で大切な大前提
しかしそれだけでは足りません。とても大切な大前提を覚えておく必要があります:
- 前提1:ゆっくり・はっきり・大きな声で話す
- 前提2:分からないことは遠慮なく聞き返す
短期間でこの問題は解決できません。だからこそまず上記で挙げた前提を大切にします。
私たちがあえてゆっくり・はっきり話すことは非常に重要です。なぜなら、相手が速く話していると、自分もそのペースに飲まれて速く話そうとしてしまうからです。
しかし、速く話そうとすればするほど自分が思ってもいないことを言ってしまったり、 上手く気持ちを伝えきれず後で後悔します。
逆に自分がペースを作るくらいの意気込みで話しましょう。
また、会話が進行している途中で会話を止めることに抵抗感を抱きがちです。しかし、あえてカットインしてガンガン聞き返しましょう
英語圏では聞き返すことは マナー、分かったふりをすることはマナー違反です。
分かってもいないのに愛想笑いをしている人は相手もそれを理解していますよ!
苦行と思わず英語を楽しんで
どうだったでしょうか?
複数のネイティブとの会話についていけずに苦労しているということは、つまり今まであなたがコツコツ英語勉強を頑張ってきた証拠です。
複数のネイティブとの会話に、ストレスなくついていけるノンネイティブはほとんどいません。
たとえ同時通訳をしているような人でも、背景知識の違いにより苦しみます。
こんな苦しい思いをした時に、英語勉強を苦行と捉えている限りは達成できません。
この課題を解決するためには、英語を楽しむことが生活の一部になっていることが絶対条件です。
仕事での必要性としての英語を超えて文化としての英語を楽しむことが大事なように思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!よければフォローやいいねをしてくれると嬉しいです!