前回の記事に続いて、今回の記事では音声変化の一つ「脱落」「介入」について学習していきましょう。
個別の発音や発音記号について不安がのこる場合は、以下の記事を参考にしてください:
それでは、早速勉強を始めていきましょう。
「脱落」とは簡単にいうと「音が消える現象」です。「脱落」を理解しておくと、シャドーイング練習などで再現率が高まり、学習効果が高まります!
音声変化「脱落」と「介入」を学習しよう
今回紹介する音声変化「脱落」と「侵食」は主に以下の4パターンあります:
いずれも動画付きで解説していきますね!
繰り返しになりますが、本シリーズの動画は全て「BBC」が提供している動画教材から引用しています。英語学習に必要な無料のリソースが豊富に揃っているので、英語学習に役立つと思います:
「語彙学習」から「フレーズの習得」など、有益な学習リソースが音声付で利用できます!
さて、それでは最初は「脱落」とは一体どのような音声変化なのかを最初に理解していきましょう。
「脱落:Elision/Reduction」とは
「脱落:Elision/Reduction」は、特定の条件で本来発音されるはずの音があえて省略される現象のことです。
上記の例の場合、[ s ] と [ m ] という子音の間に [ t ] が挟まれることによって、[ t ] の音が省略され発音されなくなります。
全ての音をはっきり発音しようとすると、舌を忙しなく動かす必要がでて大変です。その大変な過程をなくして、楽に発音できるようにすることが「脱落」の目的です。
「脱落」は特に、速いスピードで話す時に顕著に起こります。強調する時や、ゆっくり・はっきり話す時は起こらない音声変化です!
脱落1:消える [ t ]
[ t ] の音が子音に挟まれると [ t ] の音が省略されます。
話し手がよりスムーズに発音ができる点、聞き手がストレスなく聴き取れる観点から自然発生した英語の音声変化です。
練習問題
- Sorry, I can’t do that.
- I can’t stand the rain.
- It must be time to leave
- Am I the first person here?
- I don’t want it.
脱落2:消える [ d ]
[ t ] と同様に [ d ] の音も子音に挟まれると発音がしにくくなるため、音が省略されます。
破裂音は空気を溜めて音を解放する必要があり、流暢に話す時にはこの「溜め」が邪魔になってしまうのです。
練習問題
- I prefer boiled potatoes.
- My best friend let me borrow his car.
- Don’t hold back – say what you mean.
- His bike rolled down the hill without him.
脱落3:消える [ h ]
子音の後に続く [ h ] 音は省略されます。
[ h ] の音は声門(喉)から音を出す必要があり労力がかかるので、流暢に話す上で省略されることが多い音です。
練習問題
- He looks like he’s had an accident.
- I really like his cooking.
- We think he’s left the country.
- They let him leave early.
- They offered her a promotion.
「介入:Intrusive」とは
「介入:Intrusive」とは、音が移行する過程で自然発生する音のことです。
一般的には「長母音」の後に「弱母音」が続いた時に、介入が起こります。
「口の形」「舌の位置」が移動する過程で、弱母音 [ ə ] の音が [ r ] と近い音に変化しています。
非ネイティブの方が英語を話す時に、この介入がより顕著に現れるケースが多くなることがあります
介入1: [ r ]
[ ɔː ] の音で終わる単語と [ ə ](弱母音)で始まる音が隣接すると、間に [ r ] の音が派生して現れます。
「オー」の唇を縦長にする状態から、弱母音のリラックスした状態に移行する際に、舌が自然と巻かれて [ r ] の音が自然発生する現象です。
練習問題
- I think law (r)and order is very important.
- Can you draw (r)a circle freehand?
- My dog hurt its paw (r)on some broken glass.
- There was a flaw (r)in the argument.
- I saw (r)a good film last night.
まとめ
音声変化を習得したら実際の文章で練習しよう
それでは今回のポイントをまとめていきましょう:
- ポイント1:「脱落」はあえて音を発音しない
- ポイント2:「介入」は自然に発生する音
最初はどのポイントで「脱落」や「介入」が起こるか、わかりにくいと思います。音源を聴きながらオーバーラッピング やシャドーイングをする時に、意識的に聴いてみると次第に慣れてくるでしょう。
英語はストレスの強弱がはっきりしている言語なので、ストレスがかからない部分は曖昧に発音することを意識するだけで発音が劇的に向上すると思います!
以下が著者のSNSです。「いいね」や「フォロー」をしていただけると俄然やる気が出ます!
英語で何か悩みを抱えていたら…
SOLO(ソロ)のカウンセリングで気軽に質問してください。
豊富な英語の指導経験と、言語理論や音声学などの専門知識を持った優秀な人たちが最適な解決策を提案できます。
LINEで英語に関する相談を受け付けています。お気軽にご利用ください:
[…] 音声変化「脱落と連結」 […]
[…] 音声変化3:「脱落と連結」 […]
[…] 音声変化「脱落と連結」 […]
[…] 音声変化「脱落と連結」 […]