今回の記事は、英語の代表的な音声変化を紹介します。
音声変化とはその名の通り、英語音声が特定の条件で通常の発音と異なる音に変化する現象のことです。
数ある音声変化の中でも、今回は弱母音に関係する音声変化を中心に、概要の紹介と練習用のフレーズを紹介します。
他の記事でも繰り返し伝えていますが、発音練習は「録音」と「フィードバック」が重要になります
英語の音声変化を習得しよう パート1
今回は以下の音声変化を紹介します:
全て動画付きで解説していくので、自信がない発音は動画を試聴した後に録音機器を使って発音を録音してみましょう。
「schwa(弱母音)」を習得しよう
英語の発音を習得する時に、最も重要な要素の一つが「schwa(弱母音)」です。
発音記号は「ə」と表記され、非常に曖昧な「ア」の音が出ることが特徴です。
発音のポイントは以下の通り:
- 発音記号は「ə」
- 舌の根元をグッと宙に持ち上げる
- 口の中央から短く「ァッ」という音を歯切れ良く解放する
- ほんの少しだけ空気を漏らすようなイメージ
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- It’s a piece of cake
- I like a cup of tea in the morning.
- Could you get a packet of biscuits?
- Can you give it to me?
- I had an apple for lunch today.
とにかく「曖昧に」発音することが重要です!舌がリラックスしていると重い音になるので、舌は少し浮かして口は半開き程度にしましょう
「消えるd」を習得しよう
「d」に続く音が「j」の場合、音声が変化し「ʤ」の音に変わります。
また弱形が起こります。例えば「Would you」の場合「wʊʤə」と音が短く曖昧になります。
発音のポイントは以下の通り:
- 「dで終わり音+jで始まる音」の場合「ʤ」に音が変化する
- 弱形が起こるので音は短く曖昧に表現する
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- Would you do me a favor?
- I’m sad you decided to quit.
- Could you get here by midnight?
- Should you see him, can you give him a message?
- I don’t think the gold you bought was real.
音が合わさって「ジュ」の音になります。弱形が起こっているので、短く曖昧に発音することを意識してみるといいでしょう
「Plosive(破裂音)」を習得しよう
「Plosive(破裂音)」とは、口の中で溜めた空気を一気に解放する音です。「d」「b」「t」「p」「k」「g」の音が破裂音にあたります。
しかし破裂音に続く音が子音で始まる場合に限り、破裂音の音が弱まります。
発音のポイントは以下の通り:
- 「破裂音で終わる音+子音で始まる音」の組み合わせで破裂音の音が弱まる
- また音がくっつくことが多い
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- I’d like to visit Iceland.
- I’d like to visit South America.
- I’d like to visit Spain and Greece.
- I’d love to go to Egypt.
- How about a quick chat?
- You should thank her.
- It was a sad time in his life.
- Why don’t you sit down?
破裂音の音を出した直後の子音は発音しにくいです。英語の音の特性によって、自然と音声が変化していったのですね
「And」を習得しよう
接続詞「And」は文章内で強調されない時、音にストレスがかかりません。
しかし「ənd」と発音されることは稀で、多くの場合「(ə)n」とほとんど「ン」の音だけで表現されます。
発音のポイントは以下の通り:
- 発音記号は「(ə)n」
- 語末の「d」は基本的に発音されません
- 「And」の前にある語末の音と「(ə)」の音がくっつくことが多いです
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- Fish and chips
- I’m going to go and get the shopping.
- Apples and oranges are my favorite fruits.
- I’ve been thinking and thinking but I can’t decide.
- We went for a coffee and something to eat.
「And」は強調されない場合、前後のどちらかの文章とくっつけて一連の流れで音を出すとネイティブのような英語になります
「From」を習得しよう
基本的に前置詞は文章内で重要な要素ではありません。つまりストレスがかからないので、弱形が起こります。
「フロゥム」と発音されるのではなく、「フラム」と短く曖昧に発音されます。
発音のポイントは以下の通り:
- 発音記号は「frəm」
- 前歯を下唇において「フ」と音を出した後、舌先で喉の奥を触るイメージで「ア」最後に唇を合わせて「ム」の音を出します。
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- My name’s Charlotte, and I’m from Darwin in Lancashire.
- My name’s Ollie, and I’m from Norfolk.
- I’m Amy from London.
- Allie, I’m from Northern Ireland.
- My name’s Victoria. I’m from Cambridge.
- I borrowed it from my brother.
- I read the book from cover to cover.
- The nearest post office is not far from here.
- Come over any time from seven o’clock.
「f」「r」と日本人にとって苦手な音が複数含まれる「From」。うまく発音できるとネイティブ感がグッと増します
「Was」「Were」を習得しよう
「Was」「Were」はストレスがかからない時、弱母音に変化して「wəz」「wə」という音で表現されます。これを弱形といいます。
「Was」「Were」は文章内で重要な要素ではないので、曖昧にサクッと音を出しましょう。
発音のポイントは以下の通り:
- 発音記号は「wəz」「wə」
- 「wəz」「wə」の前にある語末の音とくっつくことが多いです
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- At 9 o’clock last night I was watching a movie.
- I was laying in bed.
- I was invited to a dinner at my friend’s house.
- I was playing football
- I was out drinking.
- I was there when it happened.
- We were delighted with the results.
- We were having a good time until it rained.
- He was feeling much better last night.
否定形や疑問形の時は強調されるので、「was」「were」が弱形になることはありません
「Been」を習得しよう
「Been」も同様にストレスがかからない時に弱形が起こります。
「ビーン」と伸ばした音ではなく、「ビン」と短く曖昧な音で表現します。
発音のポイントは以下の通り:
- 発音記号は「bɪn」
- 主語とセットで一気に発音することが多いです
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- I’ve been in London seventeen years.
- I have been in London seven years.
- I’ve been in London for more than a year now.
- I’ve been in London every summer since I was eighteen.
- I’ve been working here for several years.
- How long have you been waiting?
- It’s been years since I went to the cinema.
- What have you been up to since we last met?
ついつい「ビーン」と発音しがちですが、よくよくネイティブの音を聞いてみると「ビン」と曖昧に発音していることが分かりますね
「Can」を習得しよう
「Can」も上記と同様に、ストレスがかからない時に弱形が起こります。
本来「kæn」と発音する音が、弱形によって「kən」に変化します。日本語に置き換えると「キャン」ではなく、「ヵン」という音のイメージです。
発音のポイントは以下の通り:
- 発音記号は「kən」
- 口の奥から小さく「k」の音を出してすぐに「ン」と音を繋げます
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- I can speak two languages, English and Hindi.
- Can you help me bring in the shopping, please?
- I can swim further than I can run.
- You can succeed if you work hard.
- How far can you throw a tennis ball?
オーストラリアやニュージーランドでは弱形が起こらなくても、「kən」と発音されますね
「Have to」を習得しよう
「Have to」の音声変化は有名ですね。
本来「həvtuː」と発音される音に音声変化が加わり「hæftə」という音声に変化しています。
発音のポイントは以下の通り:
- 発音記号は「hæftə」
- 口を半開きで短く「ハ」と音を出した後、すぐに前歯で下唇を触れる
- 「to」の部分は弱母音なので短く曖昧に音を出す
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- I have to get up in the morning at six a.m.
- I have to get up at half past six every morning.
- I have to get up in the morning at 6.45.
- I have to get up at 8 o’clock.
- I have to get up at 5 or 6 o’clock.
疑問文・否定文でも発音できるように練習を繰り返しましょう
「助動詞Have」を習得しよう
上記の例で「Have」が「hæf」に変化する音声変化を紹介しました。しかし、「Have」が助動詞の一部として使われる場合はまた違う変化がおきます。
正確には助動詞の一部で使われるかつ「Have」の前の音が子音だった場合に限り「əv」という音に変化します。
発音のポイントは以下の通り:
- 発音記号は「əv」
- 「子音+Have」でかつ助動詞の一部の場合、音声変化が起きる
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- If my alarm hadn’t gone off this morning, I’d’ve missed the bus.
- I’d’ve stayed home.
- I’d’ve woken up anyway.
- I’d’ve been late for work.
- I’d’ve missed the train.
- I’d’ve stayed in bed.
- Your parcel should’ve been delivered yesterday.
- I would’ve done it differently.
- We might’ve made a mistake.
- The police’ve arrived.
助動詞の一部として「Have」を活用するケースは少ないですが、理論をきちんと覚えておきましょう
「The」を習得しよう
「The」は後に続く音が母音か子音かによって発音が変わります。
「Have to」と同じように、学校教育でも習うことが多いと思うので知っている方も多いではないでしょうか。
発音のポイントは以下の通り:
- 「The+母音」の場合「ðɪː」と発音される
- 「The+子音」の場合「ðə」と発音される
次に動画をみて音の出し方を理解しましょう:
動画内に出てきたフレーズを、赤字の部分に注意して練習してみましょう:
- I prefer the blue one to the orange one.
- In a restaurant, I always order the apple pie.
- I think the autumn is the best time of year.
- The earlier I get up, the happier I am.
- It’s the one over there.
最初は言い間違えることもあると思いますが、何度も発音練習を繰り返す過程で意識的に改善していきましょう
まとめ
まだまだ続く発音の音声変化
さて、いかかでしたか?
今回紹介した音声変化は基本的なものですが、ネイティブっぽい英語を話すためには非常に重要な要素です。
日本語にはない「弱母音」のニュアンス理解できるようになると、聴き取れる英語の幅もグンッと伸びます。また話す英語もネイティブに近くなるので、英語を話すことが少し楽しくなるかもしれません。
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