「シャドーイングを続ければ英語ができるようになる…」
そう思って、仕事終わりで疲れた身体にムチうって続けた英語学習。「そろそろ効果が出るはず…」と思って、ネイティブと話しても毎度撃沈。
英語のリスニングで課題感を抱えている人は少なくないはず。
今回はそんな英語のリスニングに関して、なぜリスニングが上達しにくいのかを説明していきます。
原因がわかれば、リスニングが伸びない理由も分かりより効果的な対処ができますよ。
英語のリスニングが上達しない7つの原因
原因1:英語は子音で終わる
英語と日本語と大きな違いの一つに、子音で終わるかどうかがあります。
例えば日本語では「ごはん」など、「ン」で終わる音以外は全て母音で終わります。一方英語は、[ get ] [ it ] というように、子音で終わる音が多く存在します。
一音一音はっきりと発音される日本語とは違い、英語は単語の終わりの子音が変化するルールがあります。このルールを理解しない限り、英語のリスニングに抱える課題は解決しないのです。
子音で終わる音は判断できない
試しに以下の文章を発音してみましょう。全て同じ音に聞こえます。
A: It’s a map
B: It’s a mat
C: It’s a Mac
原因2:子音が連続すると音が変わる
先ほど述べたように日本語は母音で発音されるので、私たちの耳は子音に対して敏感ではありません。
ただでさえ子音に敏感でない私たちの耳には、子音が連続することでさらにリスニングができないという状態になります。
例えば、[ kept quiet ] というフレーズを発音してみましょう。英語は意味ごとに音声がくっつくので、[ képt ] [ kwάɪət ] と別々には発音されず、[ képtkwάɪət ] とひとまとまりで発音されます。
発音記号を見ると [ ptkw ] と4つ連続して子音が続いていることがわかります。さらに音声変化が起こり [ pt ] の音声が変化するので、日本語を聴き慣れている私たちの耳には英語として認識されないのです。
原因3:単語の組み合わせで音が消える
英語では決まったフレーズを使うときに、単語の音が完全に消えるパターンがあります。
例えば、[ Did you have a good time? ] というありふれた質問文ですが、実際の会話では [ Have a good time? ] と [ Did you ] の音が消えることがあります。
その他の単語が消えてしまう例
以下の文章は、日常会話では発音されないケースが多いです。
A: (Have you) been to Sydney?
B: (Did you) enjoy it?
C: (Do you have) any good news?
原因4:日本語にはない音が英語にはある
代表的な [ r ] [ l ] の音以外にも、日本語には存在しない音が英語には多く存在します。
子音に意識がいきがちですが、実は母音も日本の「アイウエオ」では表現できない音が多く存在します。日本にはない弱母音などの要素も、正しく発音できないと私たちの英語が正しく伝わりません。
原因5:英語にはリズムがある
「強勢拍子」のリズムと「音節拍子」のリズムを知っていますか?
音の強弱やテンポが明確なリズムを「強勢拍子」といい、平坦なリズムを「音節拍子」と言います。ここまで読んでいる方は想像がつくと思いますが、英語は「強勢拍子」、日本語は「音節拍子」です。
つまり日本語と同じリズムで英語を話しても、英語のようには聞こえません。英語を話すためには、音の強弱やテンポを意識して英語のリズムで発音する必要があります。
原因6:語彙力が足りないと聴き取れない
当たり前ですが知らない単語は聴き取ることができず、理解することはできません。
しかしネイティブと会話するときに出てくる全ての語彙を理解しているということは、現実的に難しいです。そこで語彙力不足をカバーするために文法力が必要になります。
文脈から意味を類推して、仮説を立てる能力は文法の知識なくてはできません。つまり語彙力と文法力の向上は、リスニング能力を伸ばすために必須の条件ということです。
語彙力の向上を無視して、英会話を繰り返しても英語が上手くならないということはないことを忘れないようにしましょう。
語彙力を効果的に増やす方法は、以下の記事を参考にしてくださいね。
原因7:発音の仕組みを理解していないと聴き取れない
私たちは、自分自身で生成できない音は聴き取れません。
日本語の音が全て理解できるのは、意識せずとも日本語の音を再現することができるからです。つまり英語の音が生成できるようになることで、英語のリスニング能力は向上するということです。
ここでいう生成するということは、ネイティブ並みに英語を話すことではありません。あくまで、音の出し方を理解し、理論上は正しい英語の発音をすることができればリスニング能力は向上します。
英語のリスニングが上達しない原因のまとめ
英語のリスニング力を伸ばすにはまず「理屈を知る」から
日本で広く浸透している考えに「たくさん英語を聞いて、ネイティブの真似をすれば英語が上達する」というものがあります。
この考え方は、音声に対して敏感な年齢には当てはまる可能性がありますが、一定年齢を過ぎてからは当てはまりません。
「この音とあの音は舌の使い方がこのように違う」
「この音を出すには唇がこのように動く」
というように、英語の音声が持つ原理を理解することが、リスニング力向上には重要なのです。
スポーツでも同じことが言えます。単に素振りを繰り返しても実戦で使えるフォームは身につきません。正しいフォームを理解して、実際に実践し、振り返る作業を繰り返すことで、スキルは向上していくのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
以下の記事は、英語で伸び悩む方にはオススメの記事なのでぜひご覧になってください。
英語のリスニング力を伸ばす方法シリーズ
序章:英語のリスニング上達方法まとめ【中上級者向け】
第1弾:英語のリスニングが上達しない7つの原因(今の記事)
第2弾:リスニング力を伸ばすために英語の「強勢」を習得しよう Part1
第3弾:リスニング力を伸ばすために英語の「強勢」を習得しよう Part2
第4弾:リスニング力を伸ばすために英語の「音節構造」を理解しよう Part3
第5弾:リスニング力を伸ばすために英語の「イントネーション」を理解しよう Part4
第6弾:リスニング力を伸ばすために英語の「母音」を習得しよう Part5
第7弾:リスニング力を伸ばすために日本語話者が苦手な「子音」を習得しよう【前編】
第8弾:リスニング力を伸ばすために日本語話者が苦手な「子音」を習得しよう【後編】
第9弾:リスニング力を伸ばすために適切なシャドーイングを繰り返そう【完結編】
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