「英語力があれば転職に有利になるじゃないですか。」
このように考える人は少なくないのではないでしょうか。一方で実際に本当に英語力によって転職に有利に働くかどうかはわからない。今回はそんな方のために実際にアマゾンジャパンに転職したBさん(仮名)に日系企業と外資系企業の転職事情を教えてもらおうと思います。
転職のためにTOEICを勉強しようと思っている方は一度立ち止まって読んでみてください。TOEICが転職で使えないケースと使えるケースについても話してくれています。
英語ができると転職が有利になるのか?
外資系企業への転職の場合英語力は必要
今回は大手日系企業から外資系企業のアマゾンに転職したBさんに英語が転職活動で有利になったかを聞いてみます。
さっそくですが、英語は転職活動を有利にしてくれましたか。
ルークさんよろしくお願いします。質問への回答ですが英語力は転職に有利になったとは一概に言えません。仮に外資系企業を中心に転職活動する場合には有利というよりは最低限必要でした。
私はクリエティブディレクターのポジションで転職しました。日系企業ですと英語力はほとんど求められませんでしたね。ただ英語力が必要な求人案件の方が日系企業でも給料は高いケースが多いです。
英語力が有利になるということは日系企業への転職の場合が多そうですね。
ちなみにクリエイティブディレクターというのはどういったポジションなのでしょうか?
一言でいうと「最高の顧客体験を提供する」ために企画立案から実制作までを部門を超えておこないます。
例えばアマゾンジャパンでは季節や記念日などに応じて特別なキャンペーンページを立ち上げます。その際にベンダーマネージャーや社外の担当者と連携しながら企画する必要があります。企画後は「訪問者数」「購入転換率」「売り上げ」等の分析をおこないます。解析したデータを踏まえて次回の企画に活かすといったことをおこなっています。
なるほど。
「最高のカスタマー体験を提供することが中長期的に株主に対する最大の還元になる」というのはアマゾンCEOのジョフ・ベゾスが株主へ当てた手紙で有名ですよね。私も感銘を受けました。
アマゾンでは「最高の顧客体験」という言葉は全ての職種の募集要項で強調されています。
オンラインでビジネスを提供する原理なんです。顧客データと行動を正しく分析してプロダクトを高速で改善し続ける必要があります。
一度アマゾンのワンクリックオーダーに慣れてしまうともう元には戻れないです…
話を戻しますね。Bさんが転職した際はどのぐらいの英語力でしたか?
英語は音から学習すると学習が有利に
英語のリスニング、スピーキングはある程度できたと思います。日本語を100点とすると英語だと60点ぐらいですね。
一方で英語でメールを書くことは苦手でした。
カウンセリングの時に思ったのですが、Bさんのリスニング力とスピーキング力は日本人離れしていますよね。発音もとても綺麗な印象です。
どのようにその英語力を身につけたのですか?
実は特別なことはしてません。
私は留学経験は一度もありませんし、学生時代の英語の成績は決して良い方ではありませんでした。大学で受講したTOEICも700点前後。自分の周りと比べると点数が低かったと思います。
一方で音楽を続けていたので音感は少し自信があります。フランス語と中国語も英語と同時に学習していましたが、学習は全て音から始めていました。
例えば気に入った歌を暗唱したり。最近はずっとポッドキャストを聞いています。「Quick and Dirty Tips」というサイトがあるのですが、ポッドキャストでは珍しくトランスクリプトがついているので重宝しています。通勤中に聞いて新しい英語表現を覚えることを日課にしています。
音から英語を学習する重要性は第二言語習得理論でも証明されていますね。
ただ日本人にとっては難しい。今まで「文字」から「教科書の英語」を「日本語」で学習してきたのでそういった姿勢が習慣になってしまっています。
そうかもしれないです。私は気楽なタイプなのでとにかく自分が楽しいと思うことを中心に学習してきました。
あまり一般的な学習方法としてのアドバイスにはならないかもしれませんね。
転職時に求められる英語力
少し話が変わりますが、転職の際に英語に関する募集要項にはどういった表記をされていましたか?
大きく分けて3種類の募集要項がありました。
日系企業はTOEICを基準に募集している場合が多いですね。多くの企業の基準が700点でした。外資系企業はTOEICを基準とした募集と、「英語を書けて話せる」という表記の2種類に分かれておりました。必要要件に英語力を求めていない企業でも「英語が話せることが望ましい」のような表記だったと記憶しています。
英語は仕事を行う上での手段です。企業内の外国人比率、本社との連絡の有無、プロジェクトチームに社外の外国人社員が含まれるかなどによって表記の仕方も変わるのだと思います。
日系企業がTOEICを基準に採用することが多く、外資系企業は「英語が書けて話せる」という表記が半分だったというのは非常に面白い示唆ですね。
なぜそのような違いが生まれるのでしょうか。
「応募者が本当に英語ができる人間か」を評価できる企業側の人事の有無だと思います。
日系企業は人事が英語ができるかの評価基準を自分たちで作ることが難しいのでTOEICを基準にしているのだと思います。数値ですので客観性があり誰でもわかりやすいですからね。
外資系企業ですと面接自体が英語でおこなわれる確率も高いのでその場で実力がわかってしまいますよね。
「英語力は1分話して、15分書かせれば判断できる」とはよく言ったものです。
TOEICはリーディング&リスニングテストを基準にする場合がおいので、その人が英語力の基礎的なインプットがあるかの確認にはなりそうですね。
一方で業務を遂行する上で必要になる英語力はアウトプット中心なのでTOEIC対策だけでは不十分かもしれません。TOEICを基準に採用してしまうと、「英語ができる人」という認識で転職したのに現場に入ったら英語で業務を遂行できないというズレが生じてしまいそうですね。
アマゾンの場合、日本支社は外国人の従業員が3割程です。およそ三人に一人が外国人なので英語を使う機会というのは日常的にあります。
そのような環境ではTOEICの点数だけだと少し頼りないですね。英語を「書けること」「話せること」というのは重要です。
ちなみに日本支社からシアトル本社で働くことは可能でしょうか?
多くの日本人にとってアメリカで働くというのは夢であると思います。
優秀だと評価されると可能です。
あとはシアトル本社側がリクルートしているポジションにもよりますね。ちなみに私の妻は同僚なのですが日本支社からアマゾン本社へと移っております。ちなみに妻は私より英語力も高いです。
やはり本社に移るとなると高い英語力が必要なのでしょうか?
そうですね。ネイティブに近い英語力。少なくともビジネスにおいては問題なく業務遂行できる英語力が必要です。
そうでないとアメリカで優秀な人材を採用した方が良いですからね。
なるほどです。
最後にBさんの今後のキャリアプランはどのようにお考えですか?
私はシアトル本社へは異動できないので、一度妻と一緒にアメリカに住んでみる予定です。そこでMBAを取得してから現地で就職活動をしてみようと思っています。
MBAを取得して更にキャリアアップするのですね。す、すごい。
今回はありがとうございました。
最後に
企業によって募集要項の英語力の表記に違いがあるのですね。
よく「TOEICなんて持ってても使い道がない」という主張をSNS上で見かけますが、希望する企業の要項によっては非常に重要な要素になりそうですね。
英語力がネイティブレベルで無ければ現地で優秀な人材を採用した方が良いという観点も非常に勉強になりました。企業の視点から自分という人材を見つめることも重要なのだと思いましたね。
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